ルール支配行動4 オーグメンティングと自己ルール

オーグメンティング

ある出来事の結果としての機能の程度を変える。以下の2つのサブタイプがあります。成人の動機付けの主要な源泉とされています。
また、テレビなどのCMでは、これらを応用した手法が多用されています。
オーグメンティングとのつながりで起こる根本的な問題は、それがプライアンスやトラッキングと相互作用をすることで、直接随伴性に対する感受性が鈍ることです。

形成オーグメンタル(formative augmentals)

行動に随伴する結果に強化機能または弱化機能を新たに確立させます。例えば古本屋の店頭に古めかしい本があり、それ自体は好子でも嫌子でもないとします。
ところが、別の人からその本に対して「これは希少本だ」といった発言があると、古書マニアにとってその本は好子としての機能を確立するでしょう。
この場合、その古本が突然習得性好子になったとは考えにくく、その人にとってもともと「希少本」一般が好子になっており「これを買えば希少本の持ち主になれる」というルールが関連付けられたことで、好子としての機能を獲得したと考えることが出来ます。

動機づけオーグメンタル(motivative augmentals)

形成オーグメンタルと異なり、すでに好子や嫌子になっている対象の強化機能または弱化機能を高めたり、低めたりすることを意味します。
確立操作(Establish Operation)というと普通は、遮断化や飽和化といった生得性好子に関する操作が頭に浮かびますが、これは言語的な確立操作といえます。

オーグメンティングは、プライアンスまたはトラッキングのいずれかと組み合わされて起こるとされています。
また、これらは言語的な確立操作で、日常生活での動機づけの他、心理療法でも重要な役割を果たしています。

自己ルール

ルール支配行動では、自分自身で作成したルールに従う行動を「自己ルール」と呼びます。
何らかの目標に基づき自分自身で設計・制定し、子の自己ルールがうまく機能することで、行動と結果の間に長時間の遅延があるような行動も遂行できるようになります。
その一方、知らず知らずのうちに身についた癖、思い込み、偏見、誤った信念なども自己ルールに含まれます。

自己ルールを発達させるプロセス

1 子どものとき、直接的な強化随伴性を通じて私的出来事を含めたタクトを学習していく。

2 社会的コミュニケーションから受ける訓練に沿って、様々な恣意的な関係づけが行われ
ている。

3 これにより、ますます複雑に「私」をタクトすることが発達し、これに助けられて自己の
3つの側面(視点としての自己、プロセスとしての事故、物語としての自己を次第に獲得し
ていく。

4 プライアンス、続いてトラッキングとオーグメンティングに関するルール支配行動の学習
が進行する。

5 恣意的な関係づけにより、様々な「思考」が派生していく。

これらによって、何かを想像したり、新たな思考を生みだしたり、問題解決に役立たせることができるようになります。

ペイ・フォー・パフォーマンス(pay for performance)

報酬(賃金やそれに変わるもの)が、特定のパフォーマンス(望ましい達成を含めた行動)に随伴して与えられる仕組みを「ペイ・フォーパフォーマンス」と言います。

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