アクセプタンス&コミットメントセラピー(ACT)4 ACTの技法と治療過程

ACTの基本的な考え方

ACTでは、多くの問題は「FEAR」の結果起こっていると主張されています。
Fusion with your thoughts 思考とフュージョン(融合)していること。
Evaluation of experience 経験を評価すること。
Avoidance of your experience 体験を回避すること。
Reason giving for your behavior 行動に理由を与えようとすること。

ACTを概念化する簡潔な方法として、FEAR(恐怖)をFEELする(感じる)のを目的にするというものがあります。
つまり、不安を感じないようにするのではなく、感じることが上手になる事を学ぶというもので、FEELアプローチといいます。

異なる方略としての「ACT」

Accept your reasons and be present 自らの価値に気付いて、今この瞬間と繋がろう。
Choose a valued direction 価値づけられた選択をしよう。
Take action 行動しよう。

ACTの技法

技法としてはメタファーや体験的エクササイズを独自に用いますが、必要に応じてこれまでの認知行動療法における様々な技法を導入します。

ACTの治療過程

治療過程を心理的柔軟性(psychological flexibility)といい、精神病理の6つの核に対応するように構成要素を配置しています。ここでも6つの核となる構成要素は相互関係にあるので、線で結ばれています。

1 認知的脱フュージョン(cognitive defusion)

思考のもつれや融合を解きほぐします。フュージョンとは融合という意味で、ACTでは自分の思考と融合している状態を指します。
自分の思考に囚われ、巻き込まれている状態がフュージョンです。
そのためには思考の性質について重要なポイントは以下の2つです。

・思考とは、頭の中だけで繰り広げられる物語です。
・思考が繰り広げられる物語は「真実」とは限りません。

思考は、私たちのこれまでの経験や、脳に蓄積された潜在意識、性格などから、意識することなく頭に湧き上がってきます。
そして、放っておくと次から次へと勝手な物語を作り始めます。

そして、注意していないと、私たちはあっという間に思考に飲み込まれてしまい、思考の語る物語があたかも真実のように思ってしまうのです。その物語に不安を感じたり、苦しくなったり翻弄されてしまいます。

しかし試行が語るものが足りには真実でない場合もかなり多くあります。むしろ無意識のうちに頭に浮かんでいるような思考(自動思考)は、真実でない場合がほとんどで、何らかの脚色やバイアスがかかっているものです。

フュージョンとは以下の3つの状態を指します。
・思考を真実であると信じ込み
・思考を真剣にとらえ、最大限の注意を向け
・思考を命令と考え、それに従う。

これは、その思考に大半を奪われて心が支配されている状態です。

脱フュージョンエクササイズの6つの要素

① 言語的意味を崩壊する。
言語に音の意味を付随させ、言語的意味を崩壊する。

② 思考を持ったままにする。
嫌悪的な思考・感情に触れることで、思考・感情の嫌悪性を低下する。

③ 今ある感情に注目する。
思考を観察することで思考・感情は浮かんでは消えるプロセスであるという気付きを促
す。

④ メタな視点を持つ。
自己を観察する視点というメタな視点を持つ。

⑤ 思考・感情が行動の原因となるという枠組みを崩す。
思考・感情は行動の原因にはなり得ないという事への気付きを促す。

⑥ 行動の制御主体を変える。
行動の制御主体とは誰なのかという事を明確にする。

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