オレ・イヴァ・ロヴァス4 性的障害の行動療法研究から自閉症児の治療研究の完成まで

自閉症の子ども達との広汎な仕事に加えて、1970年代にロヴァスは性別と異なる性行動を示す子どもたちについての4つの論文をジョージ・アレン・レーカーズ(George Alan Rekers,1948~)と協力し共著の形で発表しました。

1974年 ジョージ・アレン・レーカーズと共同で、「Behavioral Treatment of Deviant
Sex-Role Behaviors in a Male Child(男児における逸脱した性役割行動の行動的治
療)」を発表しました。
ジョージ・アレン・レーカーズ、ベンソン・ロー(Benson ・Low)と共同で、「The
behavioral treatment of a “transsexual” preadolescent boy(“トランスセクシャ
ル”思春期前の男児の行動療法)」を発表しました。
生物学的な性と、心の性が一致しない状態をトランスジェンダーといいますが、トラ
ンスジェンダーで自身の身体に対する拒絶感が強く、自身のあるべき性に移行すべき
希望を持っている場合、「トランスセクシャル」といいます。

1977年 ジョージ・アレン・レーカーズ、ピーター・M・ベントラー(Peter ・M・Bentler)、
アレクサンダー・C・ローゼン(Alexander・C・Rosen)の共同で、「Child Gender
disturbances:A clinical rationale for intervention(小児の性的障害:介入の臨床
的根拠」を発表しました。

1978年 ジョージ・アレン・レーカーズ、アレクサンダー・C・ローゼン、ピーター・M・ベ
ントラーの共同で、「Sex-role stereotypy and professional intervention for
childhood gender disturbance(性役割情動症と小児期の性別障害に対する専門的介
入)」を発表しました。

これらの研究の対象であった当時4歳半の少年は成人してから自殺しました。残された家族は、自殺はこの治療が原因であるとしました。

1981年 「Teaching Developmentally Disabled Children:The ME Book(発達障害の子ど
もたちを教える:私の本によって)」を出版しました。

1986年 二人目の妻、ニーナ・ワッテン・ロヴァス(Nina Watthen Lovaas)と結婚しました。
二人はロヴァスがノルウェーで講義を行っていた時に知り合いました。

1987年 「Behavioral treatment and normal educational and intellectual functioning in
young autistic children(自閉症児における行動療法および通常の教育的および知的
機能)」を発表しました。
この論文はロヴァスの早期集中介入の劇的な効果を発表した記念すべき論文です。
この中でロヴァスは、行動療法の介入を受けた自閉症の子どもたちが、介入をほと
んどまたは全く受けなかった同様の子ども達よりもはるかに良い結果を達成したと
報告しました。
さらに19人の子どものうち9人が「正常に機能している」ようになり、おそらく回
復だろうと主張しました。

1989年 トリストラム・スミスと共同で、「A comprehensive behavioral theory of
autistic children:Paradigm reseach and treatment(自閉症児の包括的な行動理
論:研究と治療のためのパラダイム)」を発表しました。

1993年 ジョン・マキーキン、トリストラム・スミスと共同で、「Long-term outcome for
children with autism who received early intensive behavioral treatment(早期集
中行動療法を受けた自閉症児の長期転帰)」を発表しました。
この発表では、改訂された治療法によって19人のうちの9人は治療を受けて3~12年
後にも治療による進歩を維持し続けていました。残りの10人は治療後に特別支援学
級に入りましたというものです。

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