オレ・イヴァ・ロヴァス3 UCLA赴任から自閉症児の行動療法研究 

1961年 カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)で心理学部の助教授を務めました。
UCLAではロヴァスの講義「行動変容(Behavior Modification)」は人気がありまし
た。
また、ロバート・ケーゲル(Robert Koegel),ローラ・シュライブマン(Laura
Schreibman),テッド・カー(Ted Carr),トリストラム・スミス(Tristram
Smith),ドリーン・グランペーシェ(Doreen Granpeesheh),ジャッキー・ウィン
(Jacquie Wyn),アネット・グルーン(Annette Groen),ジョン・マッキーン(John
McEachin)など著名な行動主義者をUCLAで教えました。
キャンパス内のNeuropsychiatric Institute(NPI)で自閉症児の研究を行いました。
そこで施設に収容された子どもたちの言語や社会的行動の発達に関する研究を始めま
した。
また、UCLAヤング自閉症プロジェクトと呼ばれる早期介入クリニックを始めまし
た。
それは家庭環境での介入に焦点を合わせたもので、後にロヴァス・プログラムとして
知られます。

1965年 UCLAで准教授に就任し、彼の家族とともにカリフォルニア州マリブに引っ越しまし
た。
ドナルド・M・ベア、シドニー・ウィリアム・ビジューと共同で「Experimental
procedures for analyzing the interaction of symbolic social stimuli and
children’s behavior.(象徴的な社会刺激と子どもの行動の相互作用を分析するため
の実験的手順)」を発表しました。
当時、研究対象としていたのは自傷行為のひどい子どもでした。
そして彼らが問題行動を起こした場合は、太ももをつねったり、電気刺激を与える等
の嫌悪的な介入も、割合としては少ないものの行っていました。
ライフ誌は、ロヴァスの方法は過度に懲罰的であると批判し、自閉症の子どもたちと
の様子をレポートしました。
それは叫び声や首を叩く、平手打ちや感電させるなどです。
その後、これらの習慣は排除され、現在のロヴァス法では適切な行動に対しては、
食物を与えたり愛情表現をしたり、くすぐりなどの前向きな強化のみを使っていま
す。

1966年 フライターグ(Freitag)、キンダー(Kinder)、ルーベンシュタイン(Rubenstein)、
シェーファー(Schaefer)、ジェームズ・Q・シモンズ(James・Q・Simmons)と共同
で、「A study on establishing social (secondary) reinfocers in children with
autism(自閉症の子ども達における社会的(二次)強化の確立に関する研究」を発表し
ました。

1967年 UCLAで在任教授に就任しました。
フライターグ、ネルソン(Nelson)、ウォーレン(Whalen)と共同で、「A study
teaching children with autism to learn by imitation(自閉症児を模倣によって学ぶ
ことを教える研究)」を発表しました。

1969年 「( 生命を脅かす自傷と攻撃性を減らす介入に関するいくつかの研究)」

1972年 カリフォルニア州カマリロにあるカマリロ州立病院で研究スペシャリストに就任し、
1980年まで務めました。

1973年 ロバート・ケーゲル、ジェームズ・Q・シモンズ、ジュディス・スティーブンス・ロ
ング(Judith・Stevens・Long)と共同で、「Some Generalization and follow-up
measures on autistic children in behavior therapy(行動療法における自閉症児の
いくつかの一般化と追跡措置)」を発表しました。
これは自閉症児20人を行動療法で治療した結果を発表したものです。
その内容を要約すると、行動療法によって自己刺激やかんしゃくなどの不適切な行動
は治療中に減少し、適切な行動が増加した、8カ月たって自発的な言語の使用が一部
の自閉症児に見られた、治療によりIQや社会的相互作用が進歩した、治療後1~4年
に追跡調査をした結果、治療後の環境によって大きな違いが見られたというもので
す。

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