随伴性の種類と分類について

随伴性の種類

(1) 自然随伴性(natural contingency)

第三者による好子や嫌子の提示あるいは除去がない、自然に結果が伴う随伴性を自然随伴性といいます。
日常生活では、食物、住居、衣服などの生活の様式、温泉旅行や花見など余暇活動の一部は自然随伴性によって制御されています。
また、勉強自体が楽しい受験生や理解する喜びが自然随伴性となって強化されている場合等が当てはまります。

例 背伸びをすると遠くが見える。
自給自足で農業をしているときの収穫物

(2) 社会的随伴性(social contingency)

オペラント行動の結果が社会的であるものが社会的随伴性です。社会的に強化や弱化される行動は、他者が強化や弱化する行動で、スキナーによれば言語行動になります。
他にも共同作業や争いなど他人と関わることで生じる行動には社会的随伴性により制御されます。
社会的随伴性は他者からの学習に基礎になっています。
乳児の環境で社会的随伴性をもつのはヒトだけで、乳児がそれを予期して生まれてきます。
2~3か月の乳児は、社会的随伴性に感受性があり、成人と乳児がやり取りしている間に、成人が突然相互作用をしなくなると、乳児はその異変を検出します。
乳児は、成人が相互作用する対象であり、自分が働きかけると、相手も一定の確率で(事故や物理事象は100%)反応してくれることを知っているため、異変を検出できます。
社会的随伴性が社会的認知の基礎となっています。

例 日本語を話すと、日本人は理解する。

(3) 偶発的随伴性(accidental contingency)

オペラント行動自体は強化をもたらす道具となっていないが、偶発的に強化がもたらされる随伴性を偶発的随伴性といいます。この随伴性で形成・維持される行動を迷信行動といいます。

例 左足から外へ出ると、良いことがある。
テルテル坊主。

(4) 自動的随伴性(automatic contingency)

誰かが変わらなくても、好子や嫌子が自動的に反応に随伴する随伴性

(5) 多動的随伴性(added contingency)

意図的にせよ意図しないにせよ、誰かによって好子や嫌子が反応に随伴する随伴性。

(6) 並立随伴性(concurrent contingency)

2つ以上の強化や弱化が同時に働いている随伴性。

効果による分類

(1) 直接効果的随伴性
(Direct acting countingency)

反応の結果がその反応を直接強化したり弱化したりする随伴性を直接効果的随伴性といいます。行動の維持や変容に直接効果を及ぼす随伴性です。

(2) 間接効果的随伴性
(Indirect acting countingency)

反応を直接強化したり弱化したりすることで反応を制御するのではなく、その随伴性を記述した結果によって反応を制御する随伴性を間接効果的随伴性といいます。
行動の結果があまりにも遅れて提示されるような随伴性で、ルール支配によりません。

行動内在的随伴性と付加的随伴性について

(1) 行動内在的随伴性、人工的随伴性
(Built in reinforcement countingency)

オペラント行動自体が強化をもたらす道具や手段となっている随伴性を行動内在的随伴性といいます。
強化というのは好子が出現したり、嫌子が消失することですが、行動内在的随伴性は、好子や嫌子が人為的ではなく自然に出現(消失)したりすることです。
行動自体によってもたらされる随伴性です。
自分の意思で楽しんで取り組んでいると感じることです。その意味では自然随伴性と同じです。

(2)  付加的随伴性
(added countingency)

オペラント行動自体は直接的には強化をもたらす道具となっておらず、他者が強化をもたらす道具としてお機能するようにする道具となっている随伴性を付加的随伴性といいます。この付加的随伴性によって形成・維持されているオペラント行動が言語行動です。
付加的随伴性は、人為的に嫌子が消去(提示)されるか、好子が提示(除去)されることをいいます。
意図のあるなしにかかわらず、誰か(第三者)によって好子や嫌子が提示または除去されることで付加される結果による随伴性です。
例えばピアノを弾いて、美しいメロディーの随伴によってピアノを弾く行動が強化される場合は、行動内在的強化随伴性にあたりますが、ピアノの演奏を聞いた第三者から賞賛されることによって、強化されている場合は付加的強化随伴性という事になります。
他には給与による労働、ネズミのレバー押し、ハトのキーつつきに対してエサを与えるのは、すべて付加的強化随伴性です。
また、スピード違反の取り締まりは付加的弱化随伴性にあたります。

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