行動観察の記録と課題分析

行動観察シート

行動の前・行動・行動の後(対応)の様子が記述できます。
特に、「どのような対応をしたか」「その結果、利用者の行動はどうなったか」という視点に注目し、”対応と結果“の関係を整理できます。
観察は、一人のお子さんに対して一枚のシートを使用します。

年月日観察対象者氏名:記録者:

時間行動前の事象(きっかけ)行動行動後の事象(対応も含む)
行動を起こした時間行動が起こる前の具体的な状況を記述します。行動的翻訳まで済ませた具体的な行動を記述します。行動後の職員の具体的な対応や、行動を起こした本人の変化について記述します。

ABCチャート整理表(行動観察シート情報整理票)

先行事象行動後続事象

スキャッタープロット(Scatter plot)

「ある行動」が生起している実態を視覚的に確認するための記録法です。行動の生起しやすい時間帯が把握できます。

ポイント
1 行動が生起した時間をチェックします。
2 「行動の強さ」を記録します。
3 「いくつかの行動」が連続的に生起するものは、合わせて記録します。

行動記録票

氏名記録者
記録する行動例
① 友人とのトラブル   ② 練習からの逸脱   ③ 着替え・片付け・当番途中でふらつき

日付11日12日13日14日15日16日17日18日19日
曜日火曜日水曜日木曜日金曜日土曜日日曜日月曜日火曜日水曜日
7:00
7:30
8:00
8:30
9:00
9:30
10:00
10:30
11:00②①②①
11:30③①
12:00
12:30
13:00
13:30
14:00
14:30
15:00
15:30
16:00
16:30
17:00
17:30
18:00
18:30
19:00
19:30
日付11日12日13日14日15日16日17日18日19日
曜日火曜日水曜日木曜日金曜日土曜日日曜日月曜日火曜日水曜日

課題分析(task analysis)

一連のスキルを指導する場合に前もって、そのスキルがどのような動作によって構成されているかを分解する作業です。複雑な行動をいくつかの細かい具体的な行動つまりスモールステップに分けていき、分解された行動を一つずつ教えていきます。

例 営業の電話をかける。
① 顧客リストを用意し、電話番号を確認する。
② 受話器を取り、電話番号を押す。
③ 相手が出たら、あいさつと自己紹介の言葉を言う。
④ 電話の要件を伝える。
⑤ 商品について説明を行う。
⑥ 購入、非購入にかかわらず謝辞の言葉を言う。

例 靴下を自分で履く
① 靴下の穴(入り口)を中心に輪を作る。
② 靴下の入り口に足の指5本を入れる。
③ 靴下をかかとの前まで引き上げる。
④ 靴下をかかとをくぐらせる。
⑤ 靴下をかかとから上まで引き上げる

難しいのは、言語や認知的な行動を課題分析してスモールステップ化することです。足し算のスモールステップ化や2語文を話す行動を課題分析するには専門的な知識が必要です。

例 スーパーで買い物をする課題分析

行動項目 指導室でのシミュレーション指導フェイズ1現実場面での指導フェイズ6
1品物のところへ行く×××
2品物を取る××
3レジカウンターまで行く×
4レジカウンターに並ぶ×××
5品物を台の上に置く×
6会計を待つ×
7値段表示を見る××
8お金を出し、店員に手渡す××
9レシート・釣銭を受け取る
10品物を持ち帰る××

現実場面のテスト場面であるフェイズ1とフェイズ6の最小の2試行について、書く行動項目ごとの反応。×は誤反応、他は正反応。

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