随伴性形成運動について 

行動分析学では、人間の行動を随伴性形成行動とルール支配行動の2種類に分けて記述することが可能であると考えます。行動分析の基本として、随伴性形成行動について説明します。

随伴性形成行動(Contingency shaped behavior)

応用行動分析に適用される行動分析の基本は、対象となる行動の因果を探る際に、三項随伴性(three term contingency)と呼ばれる時間的に連続した「先行刺激-行動-後続刺激」という3つのことばで表現される分析枠を当てはめることです。

三項随伴性

先行刺激   →    行動    →   後続刺激

     刺激性制御 ↺   ↻ オペラント条件づけ

自発的な行動(オペラント行動)の自発した頻度や、その直後の状況の変化との関係を「行動随伴性」といいます。行動分析では、行動の直前と直後の変化(=行動随伴性)によって、行動の原因を明らかにすることが根幹となっています。

随伴性マネジメント

この行動の分析は、行動の変化やその修正に関して、徹底的に環境刺激にその変数を求めるという方針を示しています。同時に、行動というものが個体の側の属性ではなく「随伴性」という関係を前提とした個体との環境とのあくまで相互作用という捉え方を示しています。

こうした三項随伴性を分析して、行動変容を試みることを「随伴性マネジメント」と言います。先行刺激を変えたり、あるいは提示しなかったりするなどをする事で、それに対応する行動や反応は変化する場合があります。

並立随伴性

1つの行動に2つ以上の随伴性がある場合や2種類以上の行動が並立する場合に「並立随伴性」といいます。一般的に私たちの生活は多くの随伴性に同時にさらされており、このような複数の並立随伴性により行動は制御されています。

刺激性制御

先行刺激によって、行動がコントロールされることを「刺激性制御(stimulus control)」といいます。この刺激の微妙な変化によって違った行動や反応を示すこともあれば、同じ行動や反応を示すこともあります。このような刺激と行動や反応の関係性を行動分析では明らかにしていきます。

オペラント条件づけ

自発的な行動を取るようになるために行う条件づけを「オペラント条件づけ」といいます。

応用行動分析

行動を個体と環境の相互作用として捉えます。そうすることで障害は、個体と環境との「関係の不調」として考えることができます。

行動分析学は行動や学習の法則を明らかにする学問で、多くは実験室や実験器具内などの特殊な環境下で行われますが、そこで得られた研究成果を実生活や様々な領域に適用して体系化していくのが応用行動分析学になります。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする