行動分析の基本 ABC分析

行動分析の基本原理はオペラント条件づけとレスポンデント条件づけ(古典的条件づけ、パブロフ条件づけ)です。この2つについては、別に説明します。

ABC分析

行動(Behavior:B)は、周囲の環境にある刺激をきっかけや手がかりにして引き起こされます。行動は活動だけではなく、注意を向ける、推論する、記憶するなども行動に当てはまりますので、一般に考える行動よりも広く捉えられます。

行動に影響を与える環境条件の事を刺激(Stimulus)といい、行動を引き起こすはたらきをもつ刺激を先行刺激(Antecedent stimulus:A)といいます。

一方、私たちが行動を起こした結果、環境から与えられる応答(フィードバック)を後続刺激(Consequent stimulus:C)といいます。

刺激は、自分の体の外から来る場合と、内部から来る場合があります。このような観点で子どもの行動を見ていくと、より良い発達支援ができ、問題行動を解決することが出来ます。これを「ABC分析」といいます。

オペラント条件づけとは、行動の直後に生じた「後続刺激」によって、その行動が生じる頻度が変化することを指します。

また、行動が生じる頻度が増えることを「強化」(reinforcement)と呼んで、行動が生じる頻度が増えるきっかけになった後続刺激を「強化刺激」、「強化子」 (reinforcer)といいます。

反対に行動の生じる頻度が減ることを「弱化」(punishment)といい、行動が生じる頻度が減少するきっかけとなった「後続刺激」を「嫌悪刺激」、「弱化子」 (punisher)といいます。

さらに強化と弱化には正(Positive)と負(Negative)があり、「正」は、それまでなかったものが呈示されたり、加えられたり、生じることを指し、「負」はそれまであったものが取り去られたり、なくなったり、生じなくなることを指します。

増やしたい、あるいは減らしたい行動を「ターゲット行動(標的行動)」といいます。このターゲット行動は、複数の行動の連なり(行動連鎖)から成り立っていることが多く、その場合は行動をいくつかのまとまり(行動要素)に切り分けて(課題分析)学習を進めます。また、「できない行動」「苦手な行動」に焦点を当てるのではなく、「できる行動」「得意な行動」に焦点を当てます。

ABC分析のステップ

① 問題行動をはっきりと具体的な言葉で説明する。

② その行動が起こる前の出来事と起こった直後の状況について説明する。

③ その行動の直後に起こる結果を説明する。

④ 先立つ出来事、行動と結果を順序を追って顕彰する。

⑤ 問題行動を更生したり新しい行動を教えるために新たな先立つ出来事を仕掛ける。

⑥ 結果を評価する。

強化刺激の与え方

① 即時性 行動の直後に与える。

② 多様性 できるだけ多くの種類の強化刺激を用いる。

③ 明示性 強化刺激そのものをはっきりとした明瞭な形で示す。

④ 具体性 良い行動の内容を具体的に褒める

⑤ 関連性 適切な行動と直接関連した強化刺激を用いる。

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