B.F.スキナー 2 その後 

1950年 日本の文部省は、昭和25年度と昭和26年度に科学試験研究費から支出された輸送機
械購入補助金2500万円によって、スキナー箱を慶応義塾大学にハト用、東京大学に
ラット用をそれぞれ$500で購入しました。

1952年 慶応義塾大学で、購入したハト用スキナー箱により動物心理実験室が開かれました。

1953年 「科学と人間の行動」(Science and Human Behavior)を出版

精神疾患を有する人に対して、徹底行動主義に基づいてオペラント条件づけを用い
た治療を行い、行動療法という言葉を初めて使用しました。
同年11月、父の日の授業参観で末娘の授業(4年の算数)を見て、延々と続く教師の
説明とそれをただ受身的に聞いているだけの娘の姿に唖然とし、プログラム学習や
ティーチング・マシンの利用推進に影響を与えました。

プログラム学習とは、教育目標の到達に向かって学習者に解かせる問題を段階的に
配置(プログラム)して、提示する教材を用いた学習です

ティーチング・マシンとは、プログラム学習教材を装備する機械仕掛けの装置を指
し、学習者が答えを記入する前に正解を見ないように制御したり、回答結果に応じ
て次に違った問題を与える等の分岐を行ったりするために用いられました。これが
コンピュータ化されることでCAI(Computer Assisted Instruction)の原型になりま
した。

1956年 アメリカ心理学会のシンポジウム「人間行動のコントロールに関するいくつかの問題
点」(Some issues concerning the control of human behavior)において、カー
ル・ロジャーズと討論を行った。

1958年 ハーバード大学終身教授

1968年 ジョンソン大統領よりアメリカ国立科学財団(NSF)・アメリカ国家科学賞(生物科学
部門)を授与されました。

1971年 「自由と尊厳を超えて」を出版

1979年 夫妻で来日し、慶応義塾大学で名誉学位を授与され、記念講演「罰なき社会」をしま
した。

1985年 ニューヨーク科学アカデミー・プレジデント賞

1990年 アメリカ心理学協会(APS)功労賞
アメリカ心理学会(APA)ウィリアム・ジェームズフェロー賞
8月18日白血病により86歳で生涯を閉じました。マサチューセッツ州・マウント・
アーバン霊園に妻イボンヌ・スキナー(Yvonne Skinner)と二人で眠っています。

スキナーの言葉

「教育とは、学習した事柄が忘れ去られた時、なお残っているところのものである。」
(Education is what survives when what has been learned has been forgotten.)

邦訳されている著書に「心理学的ユートピア」(1969年・誠信書房)、「自由への挑戦―行動工学入門」(1972年・番町書房)、「行動工学の基礎理論―伝統的心理学への批判」(1976年)、「行動工学とはなにか―スキナー心理学入門」(1975年)、「ウォールデン・ツー―森の生活」(1983年・誠信書房)、「人間の社会の省察」(1996年・勁草書房) 、「科学と人間行動」(2003年・二瓶社)、「初めて老人になるあなたへ―ハーバード流知的な老い方入門」(2012年・成甲書房)、 「自由と尊厳を超えて」(2013年・春風社) があります。

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