発達障害と食1 偏食について

発達障がいの子どもたちの半数以上に何らかの偏食があるそうです。その背景には発達障害に人に特有の感覚過敏があります。

例えば、視覚的にイチゴの表面のつぶつぶが怖かったり気持ち悪く感じたり、トマトやピーマンのように単色のものや形が違ったりいびつだと気持ち悪くて食べられない子もいます。

触覚としてコロッケの表面の衣の部分が口の中を張りで刺されているように感じ、痛くて食べられないという子どもや、キノコヤマメなど表面が滑らかな食感がゴムやプラスチックを口に入れられたように感じ、強い吐き気に襲われる子もいます。

また、食べ物をかむ音が耳障りで我慢できなかったり、においが強い食品は食べられないなど、音やにおいについても同様の傾向がって食事がとれない原因になっています。においが原因であれば換気をして、においがこもらないようにします。

給食は食べるのに、家から持っていった弁当は食べたがらない子もいます。そのような弁当を嫌う子どもの中には弁当はおかずが混ざっているのを気にしている場合があります。弁当を傾けるなどして中身がくずれ、具材や味付けが混ざってしまうわけです。味覚が過敏な子はそれを嫌っているころもあります。そのような時は、アルミホイルやカップなどでしっかりと小分けするか、それぞれの具材などが混ざらないような弁当箱に変えてみるとよいかもしれません。

また弁当の場合、食べるときには冷たくなっていますし、ご飯もべたついていたりします。味覚や触覚が敏感な子にとってはそれに違和感を感じて食べたがらない場合もあります。そのような時は、電子レンジで温められる容器を弁当箱にして、事情を説明して温めてもらえるように先生にお願いすると良いでしょう。

強いこだわりがあって、経験したことのない食べ物に極度の不安を感じる子や、自分が予想していた味と違っていると食べられない子、一度好きになったメニューや食べ物に強くこだわる子もいます。

発達障害の子は健常者と比べてブロッコリーときゅうりが嫌いな割合が高く、また、汁物の素材が汁と一体化したように見えたり、ゴマは虫に、こげは異物に映ったりする特徴があるそうです。

しかし、学校などの給食では、先生からわがままと取られてしまい、無理やり食べさせられた結果、人前で食べることが怖くなった人もいます。食事に関する嫌な経験が偏食を引き起こすことがあります。間違った対応や厳しく強制する対応が偏食を悪化させることもあります。

ある特定の色が苦手な子に対してはその色が見えないくらいに細かくすると食べてくれることもあります。

生野菜は火を通せば食べられる子や自分で選んだ食べ物は、おいしく味わい、楽しむことができる子もいます。

その子が好む食感や形状、味などから食べさせて徐々に通常の給食に近づけていくような工夫により、食べられるようになった子もいます。

新しい食べ物は事前に紹介してもらえれば大丈夫という子もいます。

また、あめやガムなどが気持ちが落ち着くという子も多くいますので、そういった子には精神的な安定ができるものを食べることを認めるなどの柔軟な対応があると良いでしょう。

参考

NHKニュースおはよう日本 けさのクローズアップ 2017

発達科学研究教育センター 発達障害を有する子どもの「食・行動」の困難に関する発達支援研究2015

Exciteニュース 特定の食材や触感を極端に嫌う…発達障害に伴う偏食って?

キッズハグ 子育ての悩みラボ

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