発達障害者にみられる過集中とは

過集中とは

過集中とは集中し過ぎることです。周囲からみればはっきりと過集中でありながら、本人にその自覚や認識がないため、診断を受けてはじめて分かることがあります。

あまりに没頭し過ぎるため入浴や着替えもしなかったり、食事や睡眠もとらず体調を崩してしまう場合もあります。

集中力を発揮する必要がある場面

発達障害のある人の中には、注意の散漫さがある一方で、短期的にものすごく集中力を発揮したり、自分の興味関心が強い特定の物事に時間を忘れるほど没頭したりといった、おわゆる「過集中」の状態になりやすい人もいます。

過集中を受験勉強に活かして何時間でも勉強を続け、短時間で成績が急上昇して難関大学に合格するケースもあり、他にも仕事や創作活動などに生かすことが出来れば高い生産性を発揮するなど良い面もありますが、一方で過集中が切れた際に一気に疲れが出てしまったり、他の活動や仕事との切り替えができず不都合が起こってしまうこともあります。

過集中の原因

過集中が起きる原因として、発達障害の人の場合は複数の情報を同時に処理することが苦手であることにあります。複数の情報の中の一つにだけ注目してしまうことで、他の情報を全く無視してしまうという雨ことが起こってしまうわけです。

このようになってしまうと、作業に没頭している間は、今の自分の状態や他にやらなくてはならないことなどを考えることが出来なくなってしまいます。

また、過集中に入ってしまうと過度な緊張を強いられます。そのために今の状態から抜け出すことができにくくなってしまいます。その結果として過集中が終わったときに疲労感が強く残り、虚脱状態になったり、ぐったりと倒れ込んで数日間睡眠をとるようなこともあります。

またADHDの人は、報酬系とよばれる脳のしくみに特徴があるため、目新しさや即座に結果が出るような事にやる気を見せる一方、いつも通りで変化がなくすぐに結果が見えてこないようなことにはやる気が出ないという脳の特徴も影響しています。そのためにゲームにはまってしまい、そのため夜更かしをして寝不足に陥ったり、課金がやめられなかったり、友人関係よりゲームを優先して孤立してしまうといった事も見られます。

アスペルガー症候群の人とADHDの人では過集中に違いがみられ、アスペルガー症候群の人は強い過集中に単発的に入る傾向があり、ADHDの人の場合、持続時間が長い傾向にあるそうです。

人によってはカフェインの摂取によって過集中に入りやすくなるという傾向を持っている人もいるようです。

過集中の対処法と工夫

一度、過集中に入ってしまうと、自分の遺志でその状態をコントロールして止めることは不可能です。そして過集中はいつその状態になるかも自分で分からないために、その対処は事前にする必要があります。

対処法として、一日の中で作業時間と休憩時間をあらかじめ分け、適度な休憩が入れられるようにスケジュール化して、作業を始める前にアラームやタイマーを設定し、それがなったら作業をやめるようにすることで過集中状態になっても疲れすぎる前に休憩が取れるように環境設定しておくとよいでしょう。

声をかけられても気づかないことが多いので、視界に入るように手を振ってもらったり、「おわり」などと書いたカードを出してもらう、あるいは集中し過ぎて周囲の声かけに気付かなくなる場合は、肩をたたくなど、声以外の方法で知らせてもらうよう、周囲の人にお願いしておくのも一つの手です。

周囲の理解があるとないとでは、全く違ってくるので、周囲への理解は重要です。もしかすると周囲の人たちが本人では思いつかないような、対策方法を考えてくれるかもしれません。

また、集中する環境と休息する環境を変えること、自分にあった切り替えやクールダウンの行動パターンを工夫すること、集中した後は十分な休息を取れるように、普段からあまり仕事や予定を詰め込み過ぎないようにルールを決めておくこと、などが考えられます。

参考 NHK発達障害プロジェクト

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