発達障害と感覚過敏について

感覚過敏と感覚鈍麻

発達障害の特徴的な症状の一つに感覚過敏があります。音や光、匂いや触覚などに敏感に反応することです。

逆に感覚鈍麻といって、感覚を感じるのが弱いこともあります。これらはその感覚を受け取る器官(視覚なら目)ではなく、脳の機能に原因があると考えられています。

感覚過敏の症状

聴覚

・突然の大きな音がとても苦痛、特定の音や声の苦手がある。

例 スピーカーやマイク、金属音、サイレン、カミナリ、花火、赤ちゃんの泣き声、怒鳴り声など

・騒々しい場所では全く集中できない。話の聞き取りが難しい(必要な声や音だけを選んで聞くことが出来ない)

・時計の秒針、換気扇などの生活音がとても気になる

視覚

・光をとてもまぶしすぎる。フラッシュを嫌がる。

・テレビやパソコンの画面から目をそらす。

・色の組み合わせなどでとても苦手なものがある。

・反射や回っているもの等に、ずっと注目している。

・人ごみなど動くものがたくさん目に入るとすごく疲れる。(音も刺激も重なる)

触覚

・服の着心地にこだわる。苦手で着られない服、靴下、靴、帽子、手袋などがある。

・手がべたべたする。手に水がつくなどを、とても嫌がる。

・髪のブラシ、歯磨き、爪切りなどを「される」ことをとても嫌がる。

・軽く触られただけでも大きく体をひいてしまう。握手やハグが苦手。

・気にいった手触りのものを、いつも触っている。

嗅覚

・特定のにおいがものすごく苦手

例 柔軟剤、石けん、ヘアスプレー、花、線香、食品、ペンキや接着剤、香水、バスなどの乗り物のにおい。

・化粧品売り場や、食品売り場、動物園など、苦手なにおいの場所にはいられない。

・他の人が気が付かないような、においにも気が付く。

・なんでもにおいをかいで確かめる。

味覚

・特定の味をすごく嫌がる。

・味が違うことに敏感で、決まったものをずっと食べる。

例 同じ会社のレトルト食品

・味や触感が混じり合うことを嫌がる。

・特定の触感をとても嫌がる。

例 ネバネバ、揚げ物の衣など

平衡感覚

・ブランコや遊具などをとても怖がる。

・乗り物やエレベーターですぐ酔う。

温痛覚

・温度に敏感でとても暑がりや寒がり

・注射など、痛みにすごく敏感

・温度に敏感で季節にあわない服を着ている。

・ケガなどをしても痛みにすごく敏感

感覚過敏への対処と工夫

聴覚

・苦手な音、大きな音から離れる、近づかない。

・他の場所で過ごす。

・耳せん、ヘッドホンを使う。

・好きな音楽などをかけて、苦手な音を紛らす。

・(行事など)大きな音があるかを確認しておく、説明する。

視覚

・サングラスを使う。

・刺激の強い掲示物が目に入るところを避ける。

・蛍光灯は明る過ぎないものにする。間接照明を活用する。パソコンの画面を暗めにする。

・人ごみに行く時には寄り道をしない。安心できる人と一緒に行く。

触覚

・苦手な服は無理して着ない。

・タグを抜い目からとる、ゴムなど締め付けられるものを外す。

・着心地が大丈夫な服は、同じものをそろえる。

・周りの人に急に触らないようにしてもらう。

嗅覚

・苦手なにおいの場所は、なるべく行かない。

・身につけるもの、家に置くものなどは、買う時ににおいも確認する。

・マスクをする。

・好きな香りを持っていく。

味覚

・苦手な食べ物は、無理に食べなくて良いものとする。

・給食のかわりにお弁当にすることを相談する。

・コンディションが良いときに、違う調理法を試してみる。

・食事をする集まりがあるときは、前もって感覚過敏について説明しておく。

平衡覚

・苦手な乗り物や遊具は、無理して乗らない。

温痛覚

・冷暖房を積極的に使う。

・注射の目的や手順など、きちんと説明する。

強く転んだりしたときには、体を観察してケガなどがないか観察する。

参考 発達凸凹なボクの世界─感覚過敏を探検する─

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