トゥレット症候群とチック、吃音とは

トゥレット症候群(TS:Tourette’s Syndrome)はTSと略されることもあります。多種類の運動チックと1つ以上の音声チックが1年以上にわたり続く重症なチック障害です。通常は幼児・児童・思春期に発症します。多くの場合は成人するまでに軽快する方向に向かうと言われています。

トゥレット症候群についての詳細な説明は、こちらをご参照ください。

運動チックとは

突然に起こる素早い運動の繰り返しです。目をパチパチさせる、顔をクシャッとしかめる、首を振る、肩をすくめるなどが比較的よく見られ、時には全身をビクンとさせたり飛び跳ねたりすることもあります。

音声チックとは

運動チックと同様の特徴を持つ発声です。コンコン咳をする、咳払い、鼻鳴らしなどが比較的よく見られ、時には奇声を発する、さらには不適切な言葉を口走る(汚言症:コプロラリア)こともあります。

※このような運動や発声を行いたいと思っているわけではないのに行ってしまうということがチックの特徴です。

吃音[症]とは

吃音(Stuttering)とは、一般的には「どもる」ともいわれる話し方の障害です。なめらかに話すことが年齢や言語能力に比して不相応に困難な状態であり、下に示すような特徴的な症状(中核症状)の一つ以上があるものをいいます。

(1) 反復(単音や単語の一部を繰り返す)(例:「き、き、き、きのう」)

(2) 引き伸ばし(単語の一部を長くのばす)(例:「きーーのうね」)

(3) ブロック(単語の出始めなどでつまる)(例:「・・・・・っきのう」)

症状は幼児期に出始めることがほとんどですが、中には思春期頃から目立つようになる人もいます。

幼児期からどもりはじめた人の過半数は、学童期あるいは成人するまでに症状が消失したり軽くなりますが、成人後も持続する場合があります。思春期から症状が目立ち始める人は少ないですが、器質的な原因の場合もあるので医療機関などで相談することをおすすめします。

(注)吃音は、世界保健機関(WHO)による国際疾病分類第10改訂版(ICD-10)において「通常小児期および青年期に発症する行動および情緒の障害」に分類されています。

国立障害者リハビリテーションセンター「発達障害を理解する 各障害の定義」より

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