行動連鎖、チェイニングについて

行動連鎖と連鎖化・チェイニング

一口にいえてしまう行動もいくつかの細かい行動がつながっていることがあります。
例えば、手を洗うという行動一つとっても、洗面台の前に行く→石けんをつける→石けんを泡立てる→蛇口をひねる→泡を水で洗い流す→蛇口をひねる→タオルで水をふく、といった具合にいくつもつながっています。
このような行動のつながりのことを「行動連鎖(behavior chain)といいます。
そのような行動は一つ前の反応が次の反応の弁別刺激となっています。
このような行動のつながりをつくることを「連鎖化・チェイニング(chaining)」といいます。

新しく教える行動をいくつかのまとまりである行動要素に切り分けて。課題分析してスモールステップ化したら、各ステップを連続して行うことを教えます。それには3つの方法があります。

① 逆行連鎖化・逆行性チェイニング (backward chaining)

最後のステップから教えていく方法です。例えばステップが7つある場合、1~6までは指導者がしてあげて、最後の7のステップだけを子どもがします。
一人できちんとこのステップができるようになったら、1~5までは指導者が、残りの6から7を子どもがします。
このようにして段々と子どもが一人でする部分を後ろから前に増やしていきます。

② 順行連鎖化・順行性チェイニング (forward chaining)

逆行性と反対に、最初のステップから教えていく方法です。1から1つずつやらせます。

③ 総課題提示法(total task presentation)

初めから、最初から最後まで全てを子どもにさせます。
指導者は各ステップがうまくできない時にプロンプトを使って援助します。
この時、できるだけ軽いプロンプトから、子どもがそれでもできるかどうか見定めながら、だんだんと依存性の高いプロンプトを使うようにしていきます。
もちろん、子どもが独力でできるようになったら徐々にプロンプトはフェードアウトします。

行動連鎖中断法・行動連鎖妨害戦略
(behavior chain interrupution strategy:BCIS)

行動連鎖において中断状況を設定して標的行動を成立させる方法です。

目的:自閉症の生徒3名にボウリングごっこを教え、その後に行動連鎖中断法によって仲間への行動を促す「○○君、どうぞ」という要求言語行動を成立させる。

方法:ボウリングの順番が来たら、ボールを投げます。投げ終わったらピン係として倒れたピンを直し「○○君、どうぞ」と言ってボールを投げ手に渡します。
ボールを渡したら投げ手の後ろに並んで順番が来るのを待ちます。このボウリングごっこを3名で続けます。
そこでピン係がピンを直し、投げ手が投げる位置についたところで指導者が制止して中断します。
中断から5秒経っても「○○君、どうぞ」が言えなければ、ピン係の名前を呼びます。
15秒間標的行動が自発されなければ「○○君、どうぞ」という段階的なプロンプトによって訓練します。
ボウリングごっこが正しくできるようになったら、他の遊びで「○○君、どうぞ」が自発されるかを観察します。

結果:ボウリングごっこで「○○君、どうぞ」が言えるようになり、他の遊びでも中断状況を設定することで「○○君、どうぞ」という言葉が出るようになり、さらに後半では指導者からの精子がなくても、「○○君、どうぞ」という言葉を投げ手が待っているという事が観察されました。

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