行動対比と弁別の形成について

行動対比

2つの刺激に対する反応をVIスケジュールで同等に十分に強化した後、一方の刺激はそのまま強化し、もう一方の刺激は反応を消去する継次弁別訓練を行います。すると、消去が行われる刺激への反応は徐々に減少し、そのまま強化されている刺激への反応は増加します。そのまま強化が行われた方は、強化スケジュールは変化していないので一方の反応が消去されたことによるものです。この現象を「行動の対比」と呼びます。

行動の対比の現象は、大きく分けると2種類あり、上記のように一方の反応が消去されるともう一方の反応が増加する現象は、「正の行動対比」と呼ばれます。もう1種類は、一方の反応への強化子が増えるあるいは強化比率が増加すると、もう一方の反応が減少するもので「負の行動対比」と呼ばれます。

弁別刺激と反応との1対1対応
(point-to-point correspondhing)

弁別刺激が2つ以上の部分からなり、反応も2つ以上の部分から成っていて、弁別刺激の最初の部分が反応の最初の部分を制御し、弁別刺激の2番目の部分が反応の2番目の部分を制御するというように、弁別刺激のn番目の部分が反応のn番目の部分を制御していることを言います。

プローブテスト

プローブ(probe)とは「探り針」のことで、通常の弁別訓練の中にできるだけ分からないように、テスト試行を挿入して調べるやり方です。テスト試行では、いかなる反応に対しても結果を与えない消去法と、いかなる反応に対しても強化する強化法があります。

弁別の形成

先行刺激によって行動の頻度を調整されるようになることを「刺激性制御または刺激統制(Stimulus control)」ともいいます。

例 電話が鳴っている時に電話に出て相手と話ができますが、電話が鳴っていない時に電話に
出てもは相手と話ができません。そのため電話が鳴っていない時には電話に出ません。

先行刺激の出現=電話が鳴っている。

行動=電話に出る。

結果=相手と話ができる

例 過度な間食を防ぐために、菓子を常備しない。

菓子を常備すれば、過度な間食を起こしてしまう先行刺激になります。この刺激を出現さ
せないことで、菓子を食べないようにします。

このように、ある先行刺激が出現しているときには行動は強化され、出現していない時の行動は消去されると、先行刺激が出現している時だけ行動が生じるようになります。

刺激の微妙な変化によって違う反応を示すこともあれば、同じ反応を示すこともあります。このような刺激と反応の関係性を明らかにするため刺激性制御を研究します。刺激性制御は古典的条件づけとオペラント条件づけとともに現れる般化と弁別の研究とも言えます。

概念形成による刺激性制御

刺激クラス弁別訓練を行った結果、ある刺激クラスに属する全ての刺激の下では反応が高頻度で起こり、別の刺激クラスの下ではあまり怒らなくなることを「概念による刺激性制御」と言います。

概念形成訓練(stimulus-class discrimination taraining)

ある刺激クラスの下で、ある反応を強化または弱化し、別の刺激クラスの下でその反応を消去または弱化から回復せることを「概念形成訓練」と言います。

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