プログラムの内容
事前準備 子どもの共同注意・要求行動・適切な遊びを知るためのアセスメント
1 遊びの真似をしよう。
子どもの遊びの行動を細かく捉え、一つ一つの動きや言葉を真似しながら子どもの遊びに
加わります。
例 子どもが車のおもちゃを走らせたら、同じように走らせてみる。
(全く同じおもちゃでなくても良い)
子どもがタイルをくっつけたら、同じようにくっつけてみる。
子どもがブロックをくっつけたら、同じようにくっつけてみる。
子どもが人形を動かしたら、同じように動かしてみる。
例 子どもが「ブー」と言って車を走らせたら、同じように「ブー」と言って走らせて
みる。
子どもが「これ、○○君のおうちにしよう」と言ったら…
→ 「これ、○○君のおうちにしようか」などと言ってみる。
(全くのオウム返しをする必要はありません)
→「これ、△△先生のおうちにしよう」などの形で真似をすることもできます。
2 遊びのモデルを示そう。
子どもの遊びの段階から考えて、次にできると良いと思われる遊び方やおもちゃの使い方
について、言葉での指示ではなく、大人がモデルを示します。
3 共同注意の行動を真似しよう・モデルを示そう。
真似をすること・モデルを示すことを、遊びだけではなく共同注意の行動についても行い
ます。
子どもによっては共同注意の行動が見られない場合もあるので、大人が意識してモデルを
示していきます。
4 遊びの環境を整えよう。
子どもがこだわり過ぎず使えるおもちゃを選定し、遊びに集中しやすい環境を作ります。
事前のセッティングだけでなく、遊んでいる最中も子どもの周りの環境に気を配ります。
5 遊びのルーティンを作ろう。
子どもが自発的に行う遊びの中に流れ(ルーティン)があることをつかんで、その流れを意
識的に繰り返し、さらに発展させていきます。
6 より良いルーティンをつくるための4つのポイント。
4つのポイントを意識しながら、遊びのルーティンを作ります。
7 子どもの言葉(コミュニケーション)を増やそう。
子どもの発語のレベルを理解し、大人が子どもの発語に合わせること(多くの場合、大人が
話しかけすぎていること)を意識します。
・「いつも子どもに楽しく話しかけなければ」と思う必要はありません。
子どもが自分でコミュニケーションをとろうとする余地をつくる、というつもりで、
話しかける量を減らしてみましょう。
・子どもがコミュニケーションをとろうとするのを待ってみましょう。
もし子どもが何かが欲しい、何か手伝いを必要としている様子だったら…
→ △ 察してすぐに手伝ってあげる。
○ 少し待ってみて、子どもに要求するための言葉を言わせるようにする。
・もし子どもが何かを共有したい(見せたい、渡したい、教えたいなど)様子だったら…
→ △ 「わぁ、〇〇だね」と先生の方からすぐに言う。
○ 少し待ってみて、子どもに共有するための言葉を言わせるようにする。
・子どもからのかかわりを「待っている」ということを子どもに示しましょう。
笑顔を忘れずに
どうしたら子どもに「待っている」ことが伝わるでしょうか。
・質問し過ぎないようにしましょう。
大人が質問してしまうと、子どもは反応することだけしかできません。
子どもが自発的にコミュニケーションをとれるようにするために、大人が話すときは質
問よりも、一緒に注目してコメントする(いいきりの形で伝える)ようにしてみましょ
う。
その言い方が、子どもに「モデルを示す」ことになります。
8 子どもに合わせた言葉かけをしよう。
子どもの発語のレベルに合わせて、言葉の真似・モデルを行い、子どもの言葉を伸ばして
いきます。(発語が少ない子どもの場合)
9 実践しよう。
1~8の内容を意識して、子供の社会性を伸ばすように関わり(遊び)を続けます。