不連続試行訓練(DTT)とは
ディスクリート・トライアル・トレーニングDTT(Discrete Trial Training:DTT、不連続試行訓練)ともいい、特定のスキルを、始まりと終わりのはっきりした(discrete)小さな構成要素あるいはステップに分割して、それ一つ一つ教えていきます。
この訓練は子どもと親のあるいは教師との一対一のやりとりの中で行われ、各ステップで成功に対して強化子が与えられます。
簡単にいえば、一つの課題をスモールステップに分けて、「指示(Discriminative Stimulus)→反応(Response)→強化」からなる試行(trial)を何度も繰り返して練習するアプローチです。
DTTの構成要素
訓練では一連の試行(trial)が提示され、それぞれの試行は次の4つの構成要素からなります。
(1) 指導者や療育者は短くはっきりとした指示あるいは質問(刺激)を提示します。
例:「スプーン持って」
(2) 子どもの正反応をひき出すために必要であれば、提示の後にあらかじめ決めておいた
プロンプト(例:指さし)を提示します。
(3) 子どもは正反応もしくは誤反応をします(反応)
(4) 指導者や療育者はそれに応じた結果を与えます。
DTTは高度に構造化されており、刺激の選択、標的行動の基準、強化の方法は、それぞれの試行が開始する前に、あらかじめすべて明確に決められます。
子どもの正反応のみが強化され、誤反応や逸脱行動は無視されます。
初期の力点は、大人の指示や教示を行い、子どもがそれに応じて反応することに力点が置かれています。
指導では、言語プロンプトが多用されますが、子どもが大人の話す言葉そのものを理解できるようにするために、文脈的なサポートは通常最小限に留められます。
はじめは一回の思考ごとに大好きな強化子で、正反応を強化していきますが、DTTセラピーが順調に進んで来たら、
1試行→笑顔+賞賛+強化子
から、
1試行目→笑顔+賞賛+強化子
2試行目→笑顔+賞賛
3試行目→笑顔+賞賛+強化子
というように、強化子を間引いて、笑顔+賞賛だけでも正反応を取れるようにしていきます。
トークンを導入したトレーニング
次の段階として、トークンを導入したトレーニングをしていきます。
試行→強化子
から
試行→トークン→強化子
というように強化子がもらえるまでに、一段階入れます。
トークンは、強化子を得るためのポイントのようなもので、トークンが約束の回数分貯まったら、強化子と交換するというようにルールを決めてトレーニングします。
これは子ども自身がルールを理解していることが絶対条件となりますので、明確に示さなくてはなりません。
例えば、「一回お手伝いをしたらシール一枚、三枚貯まったら10円お小遣いをあげます」といった約束のことを、トークンエコノミーシステムといいます。
DTTでは例えば、一文字書いたら一強化子からトークンエコノミーへと進めば、一文字書いたら1つマグネットを置く。5つマグネットがたまったらクッキーで休憩、などとします。
トークンをシールやマグネットなどのわかりやすいものから、タイマーに変更して、1分経ったら、5分経ったら…と時間を伸ばしていきます。
スモールステップでトレーニングを進めていき、トークンを使えるようになると強化子がなくても待ち続けたり、正しく指示行動をとれるようになります。
ランダムローテーションの手続き
DTTでは2つ以上の似た概念を教えた場合、それらが区別できているかどうかを確認する作業を行います。それは、ランダムローテーション(random rotation)という技法を使って行われることが多くあります。
ランダムローテーションは以下の手続きで行います。
1 一つ目の概念を教える。
2 一つ目の概念の達成率が100%に近くなる。(20回中19回もしくは10回中9回。)
3 一つ目の概念ができていることを確認してから二つ目の概念を教える。
4 二つ目の概念の達成率が100%に近くなる。
5 一つ目と二つ目の概念をランダムに出題して答えさせる。
これらの手続きを実施することで概念を区別して理解できているか確認できます。