言語行動の指導、マンド訓練、タクト訓練など

マンド訓練

「マンド訓練」と言われる訓練があります。
マンドは要求言語ですので、欲しいという気持ちのときに言葉やサインを使うことを練習します。応用行動分析では、「言葉」を扱う時にはその機能を考えます。
同じ〈チョコ〉という単語でも、テレビでCMをみて「チョコ」ということと、お店で目を輝かせてお母さんのところに持ってきて「チョコ!」ということを区別します。
言葉を使うことにハードルが高い子どもたちの中には、「タクトができること」と「マンドすること」の間に大きな溝ができていることが多々あります。
マンド訓練のプログラムには、チョコレートが欲しいときに「チョコ」という初歩プログラムから、「だれ?」「いつ?」などの情報を求めるプログラムまで、様々なものがあります。
お出かけしたいときには、玄関で座り込むのではなく、靴を持ってきてほしい。
課題が嫌になったときに、相手を叩くのではなく、険しい顔で顔を覗き込んでほしい。
スケジュールが気に入らない時に、暴言を吐くのではなく、「それ嫌、変えて。」と言ってほしい。
見通しが持てない時に、ひっくり返って泣くのではなく、「次は何をするの?」と聞いてほしい。
そのお子さんの言葉(サインやカード・PECSも含む)と気持ちが、ぴったりと合うように練習し、「伝わった!」という経験を積み重ねていくことが大切です。

マンドの指導方法

(1)好子を特定する(物・人・場面など)。

(2)般化を促進するために様々な場面で確立操作を行う。

(3)複数の選択肢を提示する。あるいはまったく視界に入らないようにする。

(4)まずエコーイックを教え、フェイディングと時間遅延法を使ってマンドへ移行する。

(5)適切な要求行動が生起したときには、すぐに物を渡して強化する。

タクトの指導方法

タクトは報告言語行動なので、環境の事物・出来事に制御されて生起します。
特定も好子や嫌子によって維持されるマンドとは違い、習得性・般性習得性好子(多種の裏付け好子と対提示されることで好子としての機能を獲得した好子、商品券など)によって維持されます。

タクト訓練の手順

(1) 学習すべき刺激を決める(物・人・場面など)。

(2) 習得性・般性習得性好子を使用する。

(3) まずエコーイックを教え、フェイディングと時間遅延法を使ってタクトへ移行する。

(4) 獲得されたタクトのリストを作りタクトを維持するために反復して指導する。

イントラバーバルの指導方法

(1) 習得性・般性習得性好子を使用する。

(2) 詩・歌・ことわざを使う方法。よく聞くような詩や歌、ことわざを教えてから、決め手と
なる単語役を外す。

(3) タクトやマンドと同時に教える方法。タクトやマンドの指導において、イントラバーバル
の要素を含める。

(4) タクトやマンドの指導と同時にイントラバーバルを教える。

(5) 出来事のタクトと出来事をペアにして、イントラバーバルを教える。

オートクリティックの指導方法

(1) 習得性・般性習得性好子を使用する。

(2) いくつかの要素からなる、長い、マンドやタクトやイントラバーバルを教える。

(3) 要素の順番を変えると、意味が変わることを教える。

(4) 反応強度を示す手がかりを教える。「らしい」「みたい」「そう思う」などの獲得が
目標となる。

(5) 様々な確立操作のもとで言語活動を形成する。

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