逃避と回避、復帰、介入手段と行動の直後とは

逃避と回避

・逃避学習(Escape learning)
何らかの嫌悪刺激が提示された際に、その状況を避けるための何らかの反応を生起するこ
と。
例 地震が起きたので、安全なところに避難した。

・回避学習(Avoidance learning)
何らかの嫌悪刺激が提示されることを警告する刺激を受け、その状況を避けるために、あら
かじめ何らかの反応を生起すること。
例 地震警報が鳴ったので、安全なところに避難した。

両者の相違点は、嫌悪刺激が提示されてから反応(回避)するか、提示される前に反応(回避)するかという点です。

復帰

強化の随伴性を中止すると行動が減少することを消去といいますが、これとは逆に強化されていた行動に弱化の随伴性が働いて行動が弱化して行われなくなっているところで、行動が弱化される刺激が起こらなくなると行動が増加します。このことを復帰と言います。

例 授業中におしゃべりをすると先生に注意されるので、授業中静かになった。しばらくして
先生が注意をしないでいると、またおしゃべりでうるさくなった。

復帰の原理

(1) 行動に随伴して除去されていた好子を除去しなくなる
(好子消失による弱化の随伴性の中止)

(2) 行動に随伴して提示されていた嫌子を提示しなくなる
(嫌子出現による弱化の随伴性の中止)

(3) (1)あるいは(2)によって、弱化の随伴性を導入する以前の状態まで行動が増加する

原因推定と介入立案の早見表

増やしたいのに増えない時

原因                     介入
好子が出現しないため強化されない     → 好子を出現させる。
嫌子が消失しないため、強化されない    → 嫌子を消失させる
嫌子が出現して弱化されている       → 嫌子の出現を中止する(復帰)
好子が消失して弱化されている       → 好子消失を中止する(復帰)
塵も積もれば山となる型          → 効果のある随伴性を追加する
天災は忘れたころにやってくる型      → 効果のある随伴性を追加する
好子の思い込み              → 確実な好子を使う
他の行動が強化されている         → 他の行動を好子に使う
行動レパートリーが獲得されていない    → 行動レパートリーを形成する
望ましい行動をひき出す先行条件がない   → 先行条件を追加する
望ましい行動を引き出す先行条件が不明瞭  → 先行条件を明確にする

減らしたいのに減らない時

原因                     介入
好子が出現して強化されている       → 好子の出現を中止する(消去)
嫌子が消失して強化されている       → 嫌子の消失を中止する(消去)
塵も積もれば山となる型          → 効果のある随伴性を追加する
天災は忘れたころにやってくる型      → 効果のある随伴性を追加する
嫌子の思い込み              → 確実な嫌子を使う
望ましくない行動を引き出す先行条件がある → 望ましくない行動を引き出す先行条件を無くす

行動の直後とは

行動の直後というのは「60秒ルール」があり、その行動が起きた60秒以内に好子や嫌子が提示され負ければ、強化や弱化にはならないというルールがあります。

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