随伴性ダイアグラムと随伴性のパターン

随伴性ダイアグラム

行動分析では、問題を考えるとき、随伴性ダイアグラムを作成します。これは、行動の直前勅語を分析するためのフレームワークです。行動の影響を整理することができ、強化・弱化についてより分かりやすく捉えることが可能になります。

Step1 直前-行動-直後の3つのボックスを横に並べて書きます

Step2 真ん中の分析対象となる行動を選びます。
行動ボックスには、状態や目標、気持ちではなく、具体的な動作を書きます。

Step3 行動の後は、直後の状況の変化を記入します。

行動の直前 → 行動(動詞) → 行動の直後

ポイントとしては行動は動詞で表現すること、行動の意図や原因ではなく、直前後の行動に着目することです。

例 ある部署の職場改善

上司は社員にだらだら残業しないでほしいと思う一方、社員は定時に退社準備をすると上
司に睨まれるので定時には帰りにくいと感じています。
行動ボックスには「社員が帰りやすい職場にしたい」ではなく、「社員が定時に退社す
る」と書きます。
「帰りやすい」というのは気持ちの問題ですが、「退社する」であれば、具体的な行動に
なります。

行動は、動詞である事に注意してください。

この定時に退社するという行動は少ないので、行動ボックスの横に↓と書いておきます。
社員によると、定時に退社しようと準備を始めると、上司が睨むのです。
代謝の準備という行動の直前にはなかった上司の睨みが、行動直後に出現します。
つまり、代謝の準備を介して、上司の睨みがない状態(直前)から、睨みがある状態(直後)
に変化しています。

行動の直前  →   行動   →  行動の直後

上司は普通に    社員が提示に    上司が睨む
仕事をしている。  退社する

(嫌子なし)   (行動の強化が発生)  (嫌子が発生し、社員が定時退社しにくくなる。)

これで随伴性ダイアグラムの完成です。

図からわかるように、上司の睨みが出現することで、定時退社という行動が減っています。つまり、上司の睨みが嫌子になって、定時退社という行動を弱化していることがわかります。
そのため、この部署では定時退社する社員に対して、上司が褒めれば(好子の出現)、社員が定時に退社する頻度が増える(行動の強化)と考えられます。

随伴性のパターン

パターン刺激の種類変化の仕方行動への影響
A好子出現強化
B好子消失弱化
C嫌子出現弱化
D嫌子消失強化

好子・嫌子と出現・消失を組み合わせると、それぞれの強化と弱化が起こります。

他人の行動に関する問題を考えるときには、随伴性ダイアグラムを使って対象となる行動に対する、刺激の種類(好子・嫌子)、変化の仕方(出現・消失)、影響力(強化・弱化)の関係を整理します。

これらの関係性をしっかりと捉えれば、他者の行動を変えたい時には随伴性を変化させればよいと考えられます。

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