TEACCH(ティーチ)とは 3 コミュニケーション

3 コミュニケーション

TEACCHでは言語スキルにこだわらず、コミュニケーションスキルを育てるという考えに立っています。コミュニケーション機能そのものに困難さを持つのであれば、まずはコミュニケーションスキルを育てることが必要で、一人一人に合わせて、日常的、実用的なコミュニケおションの機能や能力の発達促進を言語スキル獲得の基盤とするという事になります。

TEACCHではコミュニケーションの3つの要素を文脈、機能、形態と捉えています。

コミュニケーションの文脈(場面)

どんな場所で 例)遊びエリア 勉強エリア 食事やおやつ

誰に     例)よく知った大人 近くの知人 友だち

コミュニケーションの機能(内容)

(1)要求       物質、行為の要求や許可、ジュースが欲しいときのコップ、冷蔵庫を示

す。

(2)注意喚起     大声や直接的行動で自分に注意を向けさせる。

(3)拒絶・拒否    大声、直接的行動のほか自傷行動等で当惑や不安を表す

(4)説明・コメント  自分や相手、特定のものについてその様子や特徴を指摘する。終了を伝

えたり、勝ってもらったものを人に見せるなど。

(5)情報提供     相手が知らないであろうことを知らせる。またはその質問に答える。

(6)情報請求     自分の知りたいことを教えてほしいと意思表示する。

(7)感情や共感の表現 自分の身体的、心理的な感想を表現したり、挨拶したりする。

(8)その他

コミュニケーションの形態(手段)

(1)動作         泣いたり叫んだ入りの要求、パニックになる。

(2)身振りやジェスチャー 人を連れていくといった直接行動、指さし、バイバイなどの挨拶

(3)具体物        直接、間接に物を示す。コップを示してジュースが飲みたい。

靴を示して外出したい。クレーン現象など

(4)絵、写真

(5)文字(単語、文章)

(6)言葉

(7)サイン

(8)発声

一般に自閉症の子どもは自発的なコミュニケーションが少なく、不自然な方法でしか自分の要求や意思を表現できたいことが多く、話し言葉の理解力が想像以上に低いこともしばしばあります。

自閉症の子どものコミュケーションのレベルや形態を正しく把握しておくことは、子どもの不安、緊張、混乱を少なくし、療育の成果につながります。

コミュニケーションスキルのポイント

・子どもの利用しやすいコミュニケーション手段を見極める。

・新しい状況の理解は自閉症の子どもには思いのほか困難な場合があり、一度に一つだけ教えることの方が結果的に速い場合がある。

・言語の理解と使用のスキルは子どもによって大きく異なるので、個別に対応して教える。

・発達障害の子どものコミュニケーション能力は過大評価されやすく、自閉症の子どものコミュニケーション能力は過小評価されやすい傾向にある。

・意味のある状況でコミュニケーションを教えることが重要で、その意味では例えばおやつや食事の場面でのコミュニケーション指導には効果が大きい。

・自閉症の子どもには、コミュニケーションシステムや手段そのものを教える必要がある。発達障害の子どもの場合、対人状況の中でのコミュニケーションの方法を習得することが課題になる。

・確立されたルーティンの中で、しかも子どもが求めていることを制止することによる環境操作やモデリングは一般に効果的であることが多い。

参考 ザ・プロンプト

独立行政法人国立重度知的障害者総合施設のぞみ園 構造化の基礎

広島県ホームページ 様々な関連の支援について

ことばと発達の学習室

自閉症教育・支援フレームワーク BOUZAN NOTE!!

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