TEACCH(ティーチ)とは 2 構造化とスケジュール

1 構造化とは

自閉症の子ども自身に認知、適応力を高めるだけではなく、理解しやすいように周囲の環境の方を作りかえるといった作業が重要です。それを構造化といいます。

1-1 物理的構造化

家庭の内部や学校の教室を絨毯、家具、つい立等を用いてレイアウトを工夫することで、視覚的にその場所とその場所の意味を理解しやすくすることです。

多目的な空間で、家庭生活や学校生活を送っていると、自閉症の子どもは混乱しやすく、大きな不安に陥ることが多い。活動場所を棚、家具、つい立等で区切ると、余計な視覚的な刺激が遮断され、場所と活動の一対一対応が取りやすくなる。すなわち、自閉症の子どもはそれぞれの場所で、何をすべきかが容易に理解でき、安定した行動が行えるようになります。

構造化の基本

アセスメント   行動観察をして仮説を立てる

構造化     安心できる環境の構造化

再アセスメント  再び行動観察をして仮説の検証

再構造化    本人の特徴によりあった構造化

再々アセスメント 繰り返しながら、安心して生活できる環境を作ります。

1-2 視覚的構造化

視覚的な強さを利用して、課題や作業の手順、材料の使用方法などを分かりやすく伝えるための工夫の手立てです。見ただけでわかるようにして理解をしやすくします。そのためにアイディアや創意工夫が大切です。

種類

視覚的提示 課題を構成するための流れを視覚的に示す。

例)絵や写真による提示

出来上がりの見本

作業手順書など

視覚的明瞭化 重要な情報を視覚的に強調する。

例)色やマークを付ける

作業や休憩所などの場所を区切る

作業をマスターするために、汚れなどをさらに明確にするなど

視覚的組織化 材料や空間を組織する。

例)左から右へ、上から下への手順

かごの有効活用(材料などを容器に入れ分ける)

2 スケジュール

毎日の生活や学校での学習時間割を作成し、視覚的なスケジュール表として前もって示すと、自閉症の子どもは不安や混乱が少なくなり、情緒が安定します。

自閉症の子どもはいつもと違う予期しない状況に遭遇すると、恐怖や困惑を示すことが多いです。スケジュール表を、家庭内のよく通過する場所や、学校の自分の机の上または自分のロッカーの扉などに掲示しておくと生活が安定し、学習効果も大きくなります。言葉や文字が理解でいない自閉症の子どもの場合、スケジュール表ではイラストや写真を使った絵カードを用いると良いです。

スケジュールをつくるポイント

・一人一人にあったものを作り、個別化をすることが大切。

・無理のあるスケジュールは続かない。

・本人の理解力、生活のペース、行動範囲を考慮する。

・他の人に合わせるためのものではなく、本人が理解するためのもの

スケジュールの種類

・実物

・絵や写真などのカード

・単語による文字のカード

・文章による文字のリスト

どれがその人にとって理解しやすいかをまず考えます。

参考 ザ・プロンプト

独立行政法人国立重度知的障害者総合施設のぞみ園 構造化の基礎

広島県ホームページ 様々な関連の支援について

ことばと発達の学習室

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