インリアルアプローチとは
インリアルアプローチはINREAL法ともいいます。INREALは Inter Reactive Learning and communicationの略です。これを訳すと「相互に反応し合うことで、学習コミュニケーションを促進する」となり、相互的反応によるコミュニケーションの支援のことです。
1974年にアメリカ・コロラド大学コミュニケーション学科のリタ・ワイズ(Weiss.R)博士とエリザベス・ヒューブレン(Heublein.E)によって言語発達遅滞幼児に対する言語指導の一つとして開発されました。
はじめは言葉に遅れのある就学前の子どもの言語に焦点を当てたランゲージ・セラピー(言語療育)でしたが、言語指導からコミュニケーション指導へと変わっていったそうです。
子どもとのコミュニケーション
子どもの自己表現がことばであっても、音声言語ではない(ノンバーバルな)ものであっても、表現や身体全体の動きで表そうとしているものを聞いてあげることから始めます。聞いてもらえるという喜びが子どもの次の自己表現への意欲につながり、さらにそのことがコミュニケーション能力を高めていくことにつながります。
ことばのない子も
・機嫌の良いときに出す声
・何とかしてほしいときに出す声
・拒否の声
があります。
子どもと接する人々は、まずそれをことばとして認めてあげる。そして同時に「やって」とか「して」とか、大人の側から代わりに言ってあげる。言葉のない子が声を出したら、可能な限りをレに適切に応じてあげる。何のことかわからないときは、その発生をそのまま真似てあげる。そうすることによって、少なくとも声を出せば他人が自分に注目してくれるという事を子どもに理解してもらいます。これが音声によるコミュニケーションの基礎となります。
インリアルアプローチの目的
・子どものコミュニケーションの力をつけていくための具体的なことばの指導する。
・子どもの心を開いて、現在持っている力を十分に発揮させる手助けをする指導者を育て、その質を高める。
インリアルアプローチの基本
1子どもに主導権を与えます。
・子どもの自発的な動きを尊重します。
・子どものあらゆる面での発達段階を把握します。
2遊びが学習の基礎です
接する側の大人が発達段階に応じた「信頼関係」をつくるのが第一段階で、第二段階としては“うまく遊ぼう”“上手に関わろう”と思いながら接するのではなく、その子にとってのよりよい環境を提供できるように心掛けることが大切になると思います。その子の発達にゆっくり付き合って寄り添いながら、時には一緒に立ち止まったり、戻ったりしながら関わることが確実な成長を促すと考えられます。関わりは“絶対量”の問題です。長く一緒に居るからよいというものではなく、意識した関わりをほんのわずかな時間でも日々継続していくことに意味があります。
参考
鹿児島県総合教育センター 指導資料 2002年
明石書店
岩波書店
ミネルヴァ書房
横浜市養護教育総合センター 特別支援教育相談課 支援のヒント2008年
Amazon
ありのままの私日記“あなたがあなたらしく輝くために~樹庵”
福井県特別支援教育センター
軽度発達障害フォーラム
土曜の会
大阪府立大学学術情報リポジトリ