本田秀夫先生について

本田秀夫先生とは

本田秀夫先生は児童精神科医として横浜市で発達障害児の早期発見・早期療育とその後のフォローアップを20年以上続けられ、その後は山梨や長野で二次障害が発生した後から診断に訪れた人の臨床にあたられた先生です。

現在、山梨日日新聞で人気コラム「ドクター本田のにじいろ子育て」を第2・4水曜日に掲載しています。

略歴

1988年 東京大学医学部卒業、同年、東京大学医学部付属病院精神神経科

1990年 国立精神・神経センター武蔵病院精神科

1991年 横浜市総合リハビリテーションセンター発達精神科

2009年 横浜市総合リハビリテーションセンター発達支援部担当部長

兼 横浜市西部地域療育センター所長

2011年 山梨県立こころの発達総合支援センター所長

2014年 信州大学医学部付属病院子どものこころ診療部 診療教授

2018年 信州大学医学部子どものこころの発達医学教室教授

本田先生の言葉

文化に差があるかもしれません。同じADHD(注意欠如多動性障害)やASD(自閉症スペクトラム障害)でも、他の国では許容されるレベルが、日本では問題視されてしまう。日本は国家レベルで空気を読むことを国民に求める風潮があり、人々は互いに完璧を求めすぎているように思います。

実はかくいう僕もADHDとASDの特性があります。予定を立てるのも苦手だし、夢中になると神職を忘れてのめり込んでしまう。職業を間違っていたら、確実にダメだったでしょうね。でも医者や研究者のほとんどはASDタイプです。こだわりの強さが強みにつながった例です。

発達障害を考えるとき、思い出してもらいたいのは童話の『みにくいアヒルの子』です。白鳥なのにアヒルの群れに入ってしまった、それが発達障害の人が置かれた状況。どんなに頑張っても白鳥は亜昼にはなれません。「努力してアヒルになれ」と叱咤激励しても、アヒルのようには鳴けず、結局、白鳥の子は白鳥にしか育ちません。白鳥には白鳥だけができることがあるはずで、その得意な分野を活かしていけばいいんです。僕は一当事者としても、声を大にしてこういいたい。「発達障がいライフを楽しもう」と。

発達障害というと、良くないイメージばかりが先行していますが、本来は必ずしも悪いものといいきれないんです。例えば多動・衝動性が強いADHDの代表的な例としては、『サザエさん』に出てくるカツオ君を思い出してください。おっちょこちょいで思いついたことはすぐに行動に移してお父さんに起こられる。

でも、彼がもし営業職などに就いたら、活動的で明るくて、どこか憎めないキャラとして愛されるかもしれません。忘れものやミスはあっても、さりげなく周囲がフォローしてくれたりして。でももし経理などに就いたら、ミスだらけで怒られる毎日が続くかもしれません。

発達障害は「障害」という言葉で誤解を招いている側面もある。「Neurodevelopmental Disorders」。これが現在の発達障害の英語表記です。つまり直訳すると「神経発達のずれ」。これまで人間は誰もが提携の曲線を描いて発達していくと考えられてきたのが、どうやら人それぞれ発達のスピードは異なり、勝つ能力のすべてがパラレルに成長していくわけでもないということがわかってきたんです。発達障害は、決して発達しないわけではなく、発達の仕方が独特で提携発達の秩序からは外れているということです。

主な著書

にじいろ子育て(2018年)

自閉症スペクトラム症の理解と支援(2017年)

ソーシャルスキルを育てる本(2016年)

自閉症スペクトラムがよくわかる本(2015年)

自閉症スペクトラム 10人に1人が抱える「生きづらさ」の正体(2013年)

参考

Medical Note

リーダーたちの名言集

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山梨日日新聞電子版