新版K式発達検査2001について

適用年齢と検査項目

適用年齢は、生後100日頃から満12~13歳頃までと考えられていますが、検査項目としては、新生児用の項目から、生活年齢14~15歳級の項目までを含んでいます。

検査項目という表現を使っていますが、対象になる子どもの行動を観察するために設定された検査用具や教示を含む場面のことであって、検査場面あるいは観察場面と言い換えることもできます。検査場面が同じ、又は、類似した検査項目は、原則として横並びに同じ行に配列されています。同じ行の中では、右の方に配列された検査項目ほど難しい項目になります。各年齢級に割り当てられている各項目については、その年齢級(年齢区分)のほぼ半数の子どもが通過するように項目が配列されています。もし、ある子どもが、自分の生活年齢の属する年齢級に割り当てられている検査項目の約半数に通過すれば、その子どもは、ほぼ平均的な発達をたどっていると判断できます。

検査用紙の構成

検査用紙は本来一つながりの用紙に印刷するものですが、取扱の便宜から5枚(第1葉~第5葉)に分けられています。第1葉は出生~6か月向きの検査項目、第2葉は6か月~1歳まで、第3葉は1歳から3歳まで、第4葉は3歳~6歳6か月まで、第5葉は6歳6か月~14歳までの検査項目が配列されています。ほかに、「人物完成検査用紙」が1枚あります。

検査の実施方法

検査を実施する時は、検査者と子どもは机の角の隣り合った部分に座ります。検査者は子どもが検査問題に合格したかどうかだけではなくて、動作、言語反応、感情・情緒、社会的・対人的行動など反応の全般を観察して記録します。また、子どもが十分に力を発揮できるように検査者は力を尽くします。一般に、その子どもの生活年齢より、下の年齢区分の項目から始めると、子どもにとって容易になります。また動作性の検査に興味をもつことが多いので、適宜、動作性の検査を実施して、気分転換を図ります。子どもは性質も生活経験も様々なので、教示の仕方も、許容の範囲内で替えてもよいことになっています。例えば、標準語の代わりに方言を使うことは差し支えありません。

検査の結果と所要時間

所定の手順で検査を終えた時、項目ごとに通過したかどうかの判定結果が記録として残ります。通過した項目には+(プラス)、未通過の項目には-(マイナス)の符号を付けます。+記号から-記号へ移行する場所を、線で区切りながら折れ線を描きます。これがプロフィールになります。3つの領域別に得点を計算して、全領域の得点も計算します。その4つの得点それぞれについて、換算表を用いて発達年齢を換算します。さらに発達年齢と生活年齢を用いて発達指数を計算します。検査の所要時間は30分程度です。

新版K式発達検査では、発達水準を年齢で示した発達年齢(Developmental Age:DA)と実際の年齢の比である発達指数(Developmental Quotient:DQ)によって表されます。

領域 検査内容の例 発達段階の見方
姿勢・運動

(P-M)

・寝返り、ケンケン

歩行 等

姿勢や運動能力
認知・適応

(C-A)

・見本と同じものを積み木で作ったり

鉛筆で書く

・場所の記憶 等

目と手の協調

物と物との関係、形の分別能力

言語・社会

(L-S)

・絵を見て言われたものを指さしして

答える

・数唱、計算

・聞いた言葉を真似していう

・日常的な事に関する質問に答える等

語彙数、身体部分の理解

自分の姓名や性別

実物と絵の連合

数の概念、記憶能力

比較判断能力

K式発達検査2001を含む発達検査ではDQ(発達指数)というものが算出されます。

・ 100が平均的な値です。(80以上~120未満の範囲が概ね平均的な水準)

・ 3歳以上では「認知・適応」面、「言語・社会」面に、検査の重点を置いています。

・ 通過した項目には+(プラス)、未通過の項目には-(マイナス)の符号を付けます。

+記号から-記号へ移行する場所を、線で区切りながら折れ線を描きます。

これがプロフィールになります。

参考

静岡県掛川市ホームページ

国立特別支援教育総合研究所ホームページ