発達障害の定義とその種類や症状について

厚生労働省のみんなのメンタルヘルスというサイトによると、「発達障害は、生まれつき脳の発達が通常と違っているために、幼児のうちから症状が現れ、通常の育児ではうまくいかないことがあります。成長するにつれ、自分自身の持つ不得手な部分に気づき、生きにくさを感じることがあるかもしれません。」とあります。

さらに発達障害のタイプとして、「自閉症、アスペルガー症候群、注意欠如・多動性障害(ADHD)、学習障害、チック障害、吃音(症)などが含まれます。」とあります。

発達障害それぞれの特性が厚生労働省の「発達障害の理解のために」という資料にあります。

自閉症は、言葉の発達の遅れ、コミュニケーションの障害、対人関係・社会性の障害、パターン化した行動、こだわりとあります。また注意欠陥多動性障害ADHDは不注意(集中できない)、多動・多弁(じっとしていられない)、衝動的に行動する(考えるよりも先に動く)となっています。

厚生労働省「みんなのメンタルヘルス」より

発達障害の定義

2016年に改正された発達障害者支援法第2条によると「発達障害者とは、発達障害(自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害などの脳機能の障害で、通常低年齢で発現する障害)がある者であって、発達障害及び社会的障壁により日常生活または社会生活に制限を受けるもの。」とあります。

また、代表的な発達障害として、自閉症、広汎性発達障害(PDD)、アスペルガー症候群、注意欠陥多動性障害AD/HD、学習障害LD、トゥレット症候群や吃音(症)なども発達障害に含まれるとあります。

医学的な診断基準としては、DSM-Vが2013年に出版されてから標準的な診断基準となっているといいます。

そこでは、自閉性障害、アスペルガー障害、PDDNOS、小児期崩壊性障害、Rett障害という分類を撤廃してASDという単一の診断基準にまとめました。

ASDの定義する症状を社会的コミュニケーション障害と興味の限局と常同的・反復的行動RRB(repetitive/restrieted behavior)という二つの症状にまとめられました。

「発達障害」とは

生まれつきの特性で、「病気」とは異なります

発達障害はいくつかのタイプに分類されており、自閉症、アスペルガー症候群、注意欠如・多動性障害(ADHD)、学習障害、チック障害などが含まれます。

これらは、生まれつき脳の一部の機能に障害があるという点が共通しています。同じ人に、いくつかのタイプの発達障害があることも珍しくなく、そのため、同じ障害がある人同士でもまったく似ていないように見えることがあります。個人差がとても大きいという点が、「発達障害」の特徴といえるかもしれません。

自閉症スペクトラム障害とは

現在の国際的診断基準の診断カテゴリーである広汎性発達障害(PDD)とほぼ同じ群を指しており、自閉症、アスペルガー症候群、そのほかの広汎性発達障害が含まれます。症状の強さに従って、いくつかの診断名に分類されますが、本質的には同じ1つの障害単位だと考えられています(スペクトラムとは「連続体」の意味です)。典型的には、相互的な対人関係の障害、コミュニケーションの障害、興味や行動の偏り(こだわり)の3つの特徴が現れます。

自閉症スペクトラム障害の人は、最近では約100人に1~2人存在すると報告されています。男性は女性より数倍多く、一家族に何人か存在することもあります。

注意欠如・多動性障害(ADHD)とは

発達年齢に見合わない多動‐衝動性、あるいは不注意、またはその両方の症状が、7歳までに現れます。学童期の子どもには3~7%存在し、男性は女性より数倍多いと報告されています。男性の有病率は青年期には低くなりますが、女性の有病率は年齢を重ねても変化しないと報告されています。

学習障害(LD)とは

全般的な知的発達には問題がないのに、読む、書く、計算するなど特定の事柄のみがとりわけ難しい状態をいいます。有病率は、確認の方法にもよりますが2~10%と見積もられており、読みの困難については、男性が女性より数倍多いと報告されています。

厚生労働省「知ることから始めよう みんなのメンタルヘルス総合サイト」よりよ