自閉症スペクトラムの種類

自閉症の人との関わり方については、特徴的な3つのタイプがあります。

(1)孤立型

必ずといっていいほど過敏性があるためにパニックになりやすいです。そのために対人的に孤立していることが集団教育を受ける際の適応的なスタイルなりやすいのが特徴です。

自分流の考えに凝り固まって、理想的な生き方を目指していこうとする最も社会的接触をしないタイプです。

まるで周りに人がいないかのようにふるまい、呼んでも反応が乏しく視線が合いにくいです。人と関わろうとせず、関わられるのを避けることもあります。関わり方としては、驚かせないように正面より横から、後ろからは避けて静かに関わるようにします。声が大きかったり、言葉掛けが多いと嫌がられることもあります。安心感を持ってもらえれば、彼らなりに親しみを持ってくれるようになります。自分で自分の気持ちに気付くのが苦手なので、周りの人が察知して上げることも大切です。感情を出しにくいためか、他の型と比べ子どもっぽくは見えず、白黒はっきりつけたがる思考で、グレーなことを理解しにくい完璧主義な部分がある人もいます。集中しているときや一人の時間のときに邪魔されることには強い抵抗を示し攻撃的になる場合もあります。

無表情で声に抑揚があまりなく、頭のいい人が多くいます。

(2)受身型

過敏だったり気が散りやすいという障害は比較的軽微で、学童期に愛着が成立して親や他人の期待に沿おうとするようになります。特に過剰なまでに適応的に頑張って無理を重ね、挫折すると見捨てられ不安が生じて抑うつ的になったり、身体症状が出たりするのが特徴です。

自発的な社会的接近ができず他者を許すタイプで、つまり自分から関わろうとしないものの、人からのかかわりは拒否せず、受身的に関わります。

ぼーっとした印象で、人の話をよく聞きますが、「あれ」や「あそこ」といわれても理解できず、会話でも簡単な返事が多いです。自分のことを聞かれるのが一番困ります。言葉を額面通りに受け取ってしまい、真に受けるので冗談が通じません。

周囲の意見に流されやすく相手に合わせることが多いです。従順なぶんだけ、嫌といえないなど自己主張が弱いので、周囲の人はいろいろと押し付けがちになってしまうので注意が必要です。押しの強い人に弱いので、断れないです。

(3)積極・奇異型

過敏性があって学童期まで多動で落ち着かず、愛着の形成が遅れる結果、人の期待に沿うということや社会ルールの学習が難しく、突発的な問題行動(嫌になると逃げる)が起こりやすいのが特徴です。

他者と付き合いたいという気持ちが強く接近するものの相手の気持ちを考えることが乏しく、執拗で奇妙な接近をするタイプなので、相手にお構いなく一方的に関わり、積極的に話しかけ関わりを求めます。

おしゃべりでも内容はワンパターンだったり、一方的だったりします。疲れない程度に、ほどほどに付き合うのが良いでしょう。あと何回と文字や言葉で制限したり、逆に質問したりしてパターンを変えてみるなどすると良いでしょう。

さらにあと2つ「孤立型」から発展形として「尊大型」と「大仰型」があります。

(4)尊大型

なんでも人のせいにして自分の主張を振りかざし、正論をよく言いいます。怒りやすく強圧的な態度で周囲を圧倒しようと振る舞おうとする傾向があります。自分のことしか考えていないのが特徴です。

学力が高く学校では教師からの信望が厚かったり、仕事である程度の地位についた方の中で、このような振る舞いになるタイプが出てくることもあるそうです。また、家庭内でのみ内弁慶になって家族に対してのみ尊大型として振る舞う場合もあるようです。引きこもりであると家族はとても苦慮されます。

原因として考えられるのは、「孤立型」が周囲から理解されない状況が続き、柔軟に対応できないことで自分の主張を一方的に押し切る形で自体が一時的に解決できると誤った学習をした結果、そのやり方を続けていることになります。周囲も怒らせるよりも適当に従おうとなりやすいため、さらに誤った学習が強化されるという悪循環に陥ってしまいます。

尊大型の支援はもっとも難しく、周囲は大変困惑されます。しかしその本人も苦しんでいたりします。誰も自分のことを理解してくれていないという不信感が根深いため、周囲からの助言などを拒絶してしまうからです。

そのため本人の苦しい気持ちを理解してくれる理解者による支援が重要といえます。

(5)大仰型

孤立型が独自に社会適応力を上げてきたタイプで、動きがゆっくりしていて頻繁に敬語を使ったり、過剰に丁寧な言葉を使うのが特徴です。

これらのタイプは固定されたものではなく、成長とともに経験や学習をすることで、変わっていくこともあります。特に、子どもの頃に「積極・奇異型」だったのが、多くの苦い経験を学習して孤立型や受身型になっていくことは多く見られます。

参考

あいち発達障害者支援センター

アスペルGUY

京都大学カウンセリングセンター紀要 広汎性発達障害者の心理療法について考える2010年

育児パパのあったか・やさしい発達障害談義

とものブログ 発達障害者の特性と性格を考える

全国地域生活支援機構

愛知県の障害者向け就職・雇用・学習支援サービス ハーモニープラス

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする