部分強化の基本スケジュール(続き)
③ 固定時隔スケジュール(Fixed Interval schedule:FI)
固定する時間経過後の最初の行動に強化子が与えられるスケジュールで、強化スケジュールでもっとも広く使われています。
一定時間が経過した後の反応を強化する方式で、FI10秒であれば、先の強化から直後の10秒間は贈ら反応しても強化子は与えられず、10秒以上経った後に反応が行われると強化子が与えられるといったものです。
設定された時間が近づくにつれ徐々に反応の生起頻度が上がるというパターンを生みます。
例 時間給、週給、月給、毎週末のバーゲンセールなど
スキナーは、このFIスケジュールで長い間訓練したハトのキイつつき反応のパターンを精緻に観察して、「ブレーク・アンド・ラン」という特徴的なパターンを発見しました。
これは一定期間の低反応率時期が続いた後に急激な高反応率時期がはじまるというものです。このパターンにおいて、低反応率から高反応率への切り替わり時点はブレークポイントと呼ばれています。
スキナーの実験(1969年)では、16秒から512秒までのFIスケジュールでこのブレークポイントを求めたところ、インターバルの絶対的な長さにはかかわらず、インターバル開始からおよそ3分の2の時点にブレークポイントが集中していることを見出しています。
ブレイクアンドラン(break and run)
強化後しばらくは反応が起こらず、その後、次に好子が提示されるまで高率で安定した反応が生じることを「ブレイク・アンド・ラン」と言います。
④ 変動時隔スケジュール(Variable Interval schedule:VI)
変動する時間経過後の最初の行動に強化子が与えられるスケジュール。いつ反応を強化するかはその都度ランダムに変動するが、平均してある時間が経過した後に生起した反応を強化する方式です。
VI30秒であれば、先の強化から5秒の時もあれば100秒の時もあり、平均すると30秒経過後の反応を強化することになります。反応の生起頻度は低いが安定して生じ続けるという特徴があります。決まった時間の間隔ではなく、不定期に行動を強化するということです。
例 釣り、電子メール、突然のタイムサービス