最適化理論とマッチングの法則、選択行動

最適化理論(optimization theory)

問題に直面した時に、やり方によっては良い結果にも悪い結果にもなります。選択によって結果が変わるというのは問題解決において重要な性質です。つまりもっとも望ましい結果を得るためにどういった選択をするのが良いのかという事を知るのは重要といえます。

マッチングの法則(matching law)

リチャード・ハーンスタイン(Richard・J・Herrnstein)は、異なる光が照射される2つの反応キーと、穀物が強化子として提示される開口部があるハト用の実験箱を用いた実験を行いました。2つの反応キーは異なるVIスケジュールが同時に進行する並行強化スケジュールが用いられました。

すると、それぞれの反応キーの強化子が提示される割合と、そのキーにハトが反応する割合がほぼ一致することが分かりました。例えば、VI135秒スケジュールとVI270秒スケジュールの場合の反応の比率はおよそ2:1になります。強化の比率で同じ比率で反応するといえます。つまり強化に対して払うコストは等しくなるということです。

別の実験でも、強化子の割合と反応する割合が一致することが確かめられており、これは「マッチングの法則」または「対応法則」と呼ばれています。この法則はハト以外の動物やヒトでも確認されています。

ヒトに対するマッチングの法則

大学生に薬物乱用に関するグループ討論をするという名目で、4人のグループを作ります。被験者はその中の一人だけで他3人はサクラ(偽被験者)です。被験者は討論の意見に対して「良い指摘だね」といった言語的賞賛を与えられると、その与えられた賞賛の割合に応じて、他の参加者と会話するという対応の法則が確認されています。

選択行動について

人や動物がする選択行動は、以下の3つに大きく分類することができます。

・巨視的最大化理論 (molar maximaizing theory)

巨視的な強化の出現率を最大化するように行動し、その結果が対応法則になっていると考える理論です。

・微視的最大化理論・瞬時最大化理論
(molecular or momentary maximizing theory)

選択肢における微視的な強化の出現を最大化するように選択肢を規則的に選んだり経過時間に応じて適切に反応を切りかえることが、巨視的な対応法則を作り上げて切ると考える理論です。換言すれば、瞬間瞬間における強化率が最大になるように個体が選択行動を行っていると考える理論と言えます。

・逐次改良理論(melioration theory)

ある時間幅を持って選択肢間に得られる強化効率を等しくするように選択を行っていると考える理論です。

反応遮断化理論(response deprivation theory)

より遮断化された反応である高制限行動は、より遮断化されていない反応である低制限行動の強化子となり、遮断化された反応である低制限行動が増加します。一方でより遮断化されていない反応はより遮断化された反応を減少するように働くことを予測するといった考え方です。プレマックの定理を発展的に継承し最も支持されている強化の定性的理論です。