オペラント条件づけでは強化を重視し、強化と弱化の「正」と「負」で4種類の学習パターンがあります。
1 正の強化(Positive Reinforcement)
行動の前になかったものが、ある行動を行って出現し、嫌子が除去されたり回避されたりする条件があります。ある行動を行って望ましい結果が得られ、その行動が増加・維持されることを、「正の強化」といいます。
例 「勉強してテストで良い点を取り、ご褒美をもらった」
→ 次のテストの時にも勉強するようになる。 … 生起頻度の増大
「母親の手伝いをしたら、お小遣いを貰った」
→ お手伝いを率先して行うようになった。
「犬が前足を飼い主の手に乗せたら、エサを貰い褒められた。
→ 自然に飼い主の手に前足を乗せるようになった。
→ 繰り返し強化する。
→ お手ができるようになった。
2 負の強化(Negative Reinforcement)
行動の前にあった望ましくないものが、行動を行った後に望ましくない結果を避けることができたり消失していて、その行動が増加・維持され強化された時は「負の強化」といいます。
例 「頭痛で気分が悪いとき”A”という薬を飲んだら治った」
→ 頭痛に苦しんだ時も同じ薬を飲んでみようと思う。… 生起頻度の増大
「臭いものに蓋」
→ 臭い物に蓋をすると「臭さ」が消失するので、また蓋をする。
「スピード違反が警察に見つかり罰金を取られたので、スピードを守るようになった。」
弱化
行動の直後に嫌子が提示されて行動が減少していくことを弱化といいます。弱化も好子出現による強化と同じように機能的に定義されます。
3 正の弱化
行動の前になかったものが、ある行動を行って望ましくない結果が出現した場合、その行動は減少します。これを「正の弱化」といいます。
例 裸足で熱いアスファルトを歩くと痛いので裸足では歩かない。
おやつを盗み食いしたら、母親に叱られたので、盗み食いをしなくなった。
藪蛇(藪をつついたら蛇が出現したので、藪をつつかない)
正直者が馬鹿を見る(正直に振る舞ったら、馬鹿をみたので、正直な振る舞いをしない。
4 負の弱化
行動の前にあったものが、ある行動を行って望ましい結果がなくなる(強化子が消失する)ことで、その行動が減少します。これを「負の弱化」といいます。
例 子どもがおもちゃを持って騒いだので、おもちゃを没収したら騒ぐのをやめた。
行動を減少させる効果のないものは嫌子とは呼びません。子どもが何か悪い行動をして、子どもに「ダメ」と叱ります。それでも行動が減少しなかったら、「ダメ」は嫌子ではありません。「ダメ」と叱っているのに行動が増大していくとしたら、「ダメ」と叱ることが好子として機能している証拠で、子どもの悪さをする行動は、好子出現によって強化されてしまっています。