インシデンタル・ティーチング(Incidental Teching)について

インシデンタル・ティーチング(Incidental Teching)

ABAの一つですが、TEACCHプログラムにも取り入れられており、機会利用型指導法あるいは偶発的教授法ともいいます。
通常カリキュラムが事前に計画されていないという点で、NETとは異なります。
インシデンタル・ティーチングは、何か子どもの好きな活動をさせながら、その合間に指示を出して、言葉や行動を引き出す教え方です。
日常の場面で要求表現などが生じる機会を積極的に増やして適切な言語モデルを示し、子どもにコミュニケーションを教えていきます。
環境の設定として、大人の援助を必要とするように環境を統制、制限します。

そして、指導手続きとしてはポイントとして以下の4つあります。
1 子どもからの指導者への自発的な働きかけの開始に注目して待ちます。
2 反応が生起しない場合はプロンプトを出します。
3 言語モデルの提示をします。
4 要求が充足されることにより強化されます。

方法としては、その子にとっても楽しい活動を取り入れ、それを利用して何かを教えます。楽しい活動を一時中断して、課題となる行動を教え、それができたら楽しい活動を再開させます。
そして課題となる行動(ターゲット)をどのように組み込むかで強制中断型、自然中断型、活動組み込み型の3つの型があります。

例えば、iPadが好きな子どもには椅子に座らせて、本人の好きな動画を見せます。動画を10秒程度見せたら動画を止めて、iPadを指導者の背後に隠して指示を出します。
指示に従ったら素早く(0.5秒以内に)「上手!」と褒めて、それと同時にiPadを返して、動画の再生ボタンをおして見せます。
5~15秒程度見せたら、また動画を止めて指導者の背後に隠して指示を出し、従ったら強化して、反応がなかったり間違ったら、数秒時間を開けてまた指示を出し、今度はプロンプトして正解させて、すぐ褒めてiPadもすぐに返して再生ボタンを押してあげます。
強化子のiPadを長時間渡しっぱなしにすると執着が強くなって話してくれなくなるので、短時間遊ばせて、さっと取り上げて、指示をして、さっと返すのを繰り返します。

集団活動の例として、名前を呼ばれても手をあげて返事ができない子どもがいるとします。活動としてはトンネルくぐりを選びます。
トンネルの入り口で、一人一人名前を呼びます。
手をあげて返事ができたら、トンネルの中に入れるようにします(これが強化子になります)。その子の番が来たら、最初は手を持って持ち上げてあげます。
つまりプロンプトです。何周かするうちに徐々にプロンプトを減らしていきます。

インシデンタル・ティーチングではコミュニケーションスキルを向上させるためにはいくつかのステップを使用します。
1 例えば、好きなものやアクティビティがある遊び場など、子ども向けに面白い環境を整え
ます。
2 何らかの方法で興味深いものへの接近を制限します。
例えば、目に見えるが手の届かない場所にものを置くなどです。
3 子どもがものを要求するか、指さしのようなジェスチャーをするのを待ちます。
これが学習の始まりです。
4 例えば「どの色のテディベアが欲しいですか」のように子どもに詳しく説明するよう促し
ます。
5 子どもが反応するまで待ちます。
6 目的のものを与えることによって子どもに報酬を与えます。