強化の種類
オペラント反応を1回ごとに強化する手続きを連続強化(continuous reinforcement)、反応の回数や時間間隔ごとに強化する手続きを部分強化(partial reinforcement)と呼びます。
連続強化は、何か行動(反応)があるたびに、行動が強化される型です。
つまり、「行動する度に、必ず何かの行動を強化するものが与えられる」という事になります。
例
自動販売機でお金を入れる → 必ず選んだ飲み物が出てくる。
この中では、
「お金を入れて、飲み物を選ぶ」=「行動」
「飲み物」=「行動を強化するもの」
になります。つまりお金を入れたら、自分の欲しいものが手に入るわけです。そのほしいものを手に入れるための行動が、強化されることになります。
部分強化は行動(反応) がある時に毎回ではなく、たまに強化する型です。
例
パチンコでお金を入れる → 勝つ日と負ける日がある。
パチンコをすれば必ず勝てるわけではないが、勝てる可能性もある。
このように、たまに勝つことによって、「次のときには勝てるかもしれない」という気持ちにさせることで、行動が強化されます。
部分強化の方が連続強化よりも「行動が消えにくい」という実験結果が出ています。
つまり、部分強化の方が人の行動を習慣化させることが出来るということになります。
強化の原理
行動した後に何か良い刺激が出現したり(好子出現による強化)、悪い刺激がなくなったりすることで(嫌子消失による強化)、その行動が増えることを「強化の原理」といい自発的行動の増加に用いられます。
例 欲しい物を買うためにお金を貯めたら欲しい物が手に入ったので、またお金を貯める。
例 好きな人に電話をかけたら、喜んでくれたので何度も電話をかけるようになった。
例 色々な絵の具を使って絵を描いたら、先生に褒められたので、色々な絵の具を使うことが多くなった。
弱化の原理
行動した後に何か悪い刺激が出現したり(嫌子出現による弱化=正の罰)、良い刺激がなくなったりすることで(好子消失による弱化=負の罰)、その行動が減ることを「弱化の原理」といいます。
例 満員電車の中で電話に出て通話をしていたら、乗客達から白い目で見られたので、乗車中は電話に出なくなった。
例 国語の授業中におしゃべりをしたら厳しく叱られたので、国語の授業は静かにするようにしている。
弱化からの回復(recovery from punishment)
これまで弱化されていた反応に対して弱化やペナルティの随伴性を中止すると、弱化やペナルティの随伴性を導入する以前の状態まで反応率が増加することを「弱化からの回復」といいます。