ソーシャル・ストーリーズTM について3 例文と指導例

例文1

「ひげをそる」

ひげをそった方がいい人がいます。

おとなはひげをそります。

とくに男の人は、たいてい、ひげをそります。

ひげをそらなくてもいい人もいます。

小さい子どもはひげをそりません。

シェービングクリームをつかうと、ひげはかんたんに安全にそることができます。

男の人がひげをそるときには、シェービングクリームをかおの、そろうと思っているひげのところにぬります。

そしてちゅういしながら自分のかおをそります。

かみそりをつかうときにはじゅうぶんにちゅういします。

かみそりはするどく、よく切れるからです。

ひげそりを終わったら、かみそりをあらってかたづけます。

(「育てる会会報130号」より2009.2)

例文2

「自分がするいたずらは許せるが、友人からのいたずらは許せない子どもに」

友だちのいたずらには、やさしく注意します。

・授業中は先生の指示を守り勉強します。

・ほとんどは黒板を使っての勉強が多いです。

・多くの人は黒板に集中していますが、たまには勉強以外のことを考えている人もいます。

・ぼくはいたずらをしたいと考えることがあります。

・僕の周りの人たちにもいたずらをしてしまう人がいます。

・そんな時は授業のじゃまにならないように小さな声で注意します。

・ぼくは、いたずらは「いじわるな心ではない」ので許してあげます。

・ぼくも授業中は「いたずら」をやめます。

→これを状況に応じて、本人に繰り返し読ませていきます。

(発達障害のある子のための「ソーシャル・ストーリー」の作成)

指導例

ゲームに負けた時の気持ちを処理できなかった子に、得意な「文章が読めて理解できる」ことを活かした指導として、その子の気持ちに寄り添うソーシャル・ストーリーを書き、ゲームの始まる前に一緒に呼んで「負けたりしたときにはどうしたらよいのか」を確認しました。

「ゲームをするときには」

ぼくは、〇〇小学校4年生の△△です。

ぼくは、友だちや先生とゲームをするのがだいすきです。

ゲームはかつときもあれば、まけるときもあります。

かつときは、うれしいです。

まけたときは、ざんねん・くやしい・イライラしたきもちになるときがあります。

かったら「やったー!うれしい!!」とよろこびます。

まけてもだいじょうぶです。「もう1かいゲームをやってください」といえばいいのです。

ないたり、おこったり、さわいだりしないで、つたえようとおもいます。

結果:負けた時はやはり悔しそうですが泣かないでゲームに参加できるようになりました。
他の場面でも勝敗にこだわることの多かった子ですが、ソーシャル・ストーリーを
書いてもらい確認していく中で少しずつ自分の気持ちを伝えられるようになりました。

参考

Amazon

障害者関係専門書店スペース96

セイウィダム 育児と医療のコミュニケーションスキル情報サイト

沖縄県立総合教育センター 後期長期研修員第55集 2014年

岡山大学だ久貝院教育学研究科研究収録第141号 2009年

千葉県総合教育センター

三重県教育委員会事務局研修分野 2009年

NPO法人つみきの会