ネイサン・アズリン2 習慣管理の発表まで

1970年 ハーバード大学心理学部講師を務めました。

F・オブライエンと共同で、「Behavioral engineering:control of posture by
informational feedback(行動工学:情報フィードバックによる姿勢の制御)」を応用
行動分析会ジャーナルに掲載しました。
これは、社会的に望ましくない行動に対するフィードバックの影響を調べたもので、
クライエントが変化を強く望んでいる行動において、その行動を修正するための治療
手順として軽い振動触覚刺激が有効であることを示したものです。
また、行動工学という用語を作りだしました。

1973年 ジョージ・ハント(George Hunt)とともに共同体強化アプローチ(Community
reinforcement apptoach:CRA)の開発に取り組んで、アルコール依存症の治療に
行動療法を取り入れました。

「神経症やチックを減らす方法(Habit reversal:a method of eliminating nervous
habits of tic)」を出版して習慣逆転法を紹介しました。
これは、神経質な習慣の治療のために考案した新しい方法で、神経質な習慣の逆の動
きを練習します。そして神経質な習慣を認識して習慣を抑えます。最初のセッション
で12人のクライアントのほぼ全員にそれぞれの習慣は解消され、長期の追跡調査でも
指示に従った11名は神経質な習慣が現れることがありませんでした。

バリー・J・ナスター(Barry・J・Naster)、ロバート・ジョーンズ(Robert・Jones)と
共同で、「Reciprocity counselling:A rapid learning-based procedure for
marital counselling(相互カウンセリング:夫婦カウンセリングのための迅速な学習
ベースの手順)」をBehavior Research and Therapy(行動研究と治療)に掲載しま
した。

リチャード・グレゴリー・ナン(Richard Gregory Nunn)と共同で「Habit reversal:
A method of eliminating nervous habits and tics(習慣の逆転:神経質な習慣や
チックを解消する方法)」をBehavior Research and Therapy(行動研究と治療)に掲
載しました。

アームストロング(P・M・Armstrong)と共著で、「The “mini meal” method for
teaching eating skills to the profoundly retarded(食事スキルをひどく遅らせた
人々に教えるための“ミニミール”法)」を出版しました。

リチャード・M・フォックス(Richard ・M・Foxx)と共同で、「The elimination of
autisitic self-stimulatory behavior by overcorrection(過剰矯正による自閉症自己
刺激行動の排除)」を応用行動分析ジャーナルに掲載しました。
自閉症の自己刺激行動を排除するために、開発した過矯正装置は他の方法と比較し
て、効果的な方法であるという事を示したものです。

精神的健康への優れた貢献に対して、イリノイ州からGerty賞を受賞しました。

1974年 リチャード・M・フォックス(Richard ・M・Foxx)と「トイレトレーニング(Toilet
Training in Less Than a Day)」を出版し、300万部以上売り上げ、数十の言語に翻
訳されました。その中で「タイムアウト」の手法を発表しました。

T・J・スニード(T・J・Sneed)、リチャード・M・フォックス(Richard ・M・Foxx)の
共著で「Dry-bed training:rapid elimination of childhood enuresis(ドライベッド
トレーニング:小児夜尿症の急速な消失」を出版しました。

Midwestern Association for Behavior Analysis:MABA(中西部行動分析協会)の
初代会長に選出されました。

1975年 T・フローレス(T・Flores)、S・J・カプラン(S・J・Kaplan)と共同で「Job-finding
club:A group-assisted program for obtaining employment(就職活動クラブ:雇
用を得るためのグループ支援プログラム)」をBehavior Research and Therapy(行動
研究と治療)に掲載しました。

1976年 カリフォルニア州パロアルトにある行動科学研究センターのフェローとして、サバ
ティカル(研究や旅行のために大学教授などに与えられる有給休暇)に1年間過ごしま
した。

1977年までの二年間、国際応用行動分析協会(Association for Behavior Analysis
International:ABAI)の会長になりました。

心理学における応用のための優れた貢献に対して、アメリカ心理学会1975年・年間
賞を受賞しました。

1977年 リチャード・グレゴリー・ナン(Richard Gregory Nunn)と共著として「習慣管理:
吃音、爪かみ、その他の神経質な習慣(Habit Control in a Day:Stuttering,Nail
Biting,and Other Nervous Habits)」を出版しました。

Association for Behavior Analysis(行動分析協会)会長、Midwestern Psychological
Association(中西部心理学会)会長を務めました。