4 ワークシステム
指導者が絶えず付き添って指示をしなくても、課題の意味を理解し、一人で自立して一連の作業を行えるようにした手続きのことです。1つの場面で、いくつかの活動を提示するときに活用してます。
自閉症の特性として、時間の整理統合や見通しの持ちにくさ、終わりが理解できないことによる不安や混乱があります。
(1)どんな作業をするのか、(2)どれくらいの時間、または量の作業をするのか、(3)いつ終わるのか、(4)終わったら次は何をするのか、を示します。
ワークシステムの中では、基本的なルールとして次のものが適用されます。
「左から右へまたは上から下へ」、「同じ色を合わせる」、「数字や記号を合わせる」、「文字による提示」。
ワークシステムの種類として、次のものがあります。
(1)実物を並べる
(2)マッチングを使う(絵・形・文字・記号など)
(3)リストを使う(単語や文章)
(4)フィニッシュボックスの使用
(5)時には、本人の興味のあるものやキャラクター等を使う。
ワークシステムの境界
ワークシステムは、スケジュールと同様に、いくつかの活動を提示たものです。ワークシステムは1つの場所や時間帯でのいくつかの活動を提示したものです。
ワークシステムでは、現在の活動とその他の活動が境界となります。
その他の活動は終わった活動とまだ残っている活動をつかむことも見通しを伝える部分では重要です。
もう一つ重要な境界として、1つの場所や時間帯で実施する活動と、その終わった後の時間帯や活動になります。その2つを明確にすることで、どの活動をするか、どのくらいの量をするか、どのようになって終わりなのか、終わったら何をするのかの情報を提示することができます。
ワークシステムの境界の工夫
・ボードとカードの色のコントラストをつける。
・1つ1つのカードの間に線を入れる。
・1つ1つの活動予定を仕切りで区切られたところに置く。
・カードやオブジェクトがボードから突き出すようにする。
・番号をつける。
ルーチン(習慣化)の基本
自閉症の子にとって変化への対応の困難さがあるので、ルーチン化して活動や生活が習慣化されたり、いつも決まった手順で行う事が身についてくると、安心につながります。
・いつも、同じ手順で課題を行う。
・習慣化することで、普段の生活を安定したものとする。
・ルーチンを使って繰り返しているうちに学習する。
例) 手を洗ってからご飯を食べる
食事が済んだら食器を片づける
鼻をかんだらゴミ箱に捨てる
ただし、一日の活動はルーチン化して教えません。
参考 ザ・プロンプト
独立行政法人国立重度知的障害者総合施設のぞみ園 構造化の基礎
広島県ホームページ 様々な関連の支援について
ことばと発達の学習室
自閉症教育・支援フレームワーク BOUZAN NOTE!!