応用行動分析について

応用行動分析(ABA)とは

ABAは、Applied Behavior Analysisの略で、日本では応用行動分析といいます。
教育、言語習得、育児、スポーツ、企業コンサルティング、リハビリ、医療措置、老年学、動物園マネジメントやアニマルケア、産業安全、シートベルト着用、エイズ予防などに幅広く利用されており、とりわけ自閉症児や発達障害児の問題行動を改善するために用いられています。

アメリカでは44州で、自閉症児の療育としてABAは保険対応されているほど評価されており、欧米やアジアなど世界中に数多く療育拠点が存在し、国際資格を持ったセラピストが活躍しています。

行動分析学はバラス・スキナーが新行動主義をさらに改革し、新たに徹底的行動主義に基づく心理学の一体型です。

行動分析とは、人間や動物などの行動を分析する学問で、生物ができるすべての行動を対象にその環境を操作して行動がどの程度変化するかを研究することです。行動の原理や法則を導いていき、それを「実験的行動分析(Experimental Analysis of Behavior)といいます。これによって人間や動物の様々な「予測」と「制御」が可能になりました。

アメリカの心理学者でバラス・スキナーによる行動分析学の理念・方法によって、様々な社会的課題の分析や具体的対策を実行、評価、伝達するための学問領域で、特に1970年代に大きく発展しました。
応用行動分析は行動分析の成果を人間や動物の様々な問題行動の解決に応用されたものです。

応用行動分析の目的

お子さま本人と保護者、さらには関わる全ての方々の生活が改善することです。これを「社会的妥当性」といいます。本人の持っている力を100%出せるまで成長していくことを目指しています。
シーラ・リッチマン(Shira Richman)によると、プログラムはすべて子ども一人一人のニーズに応じた個別的なものです。
シーラ・リッチマンはアメリカ・ニューヨーク大学心理学修士課程修了の行動療法コンサルタントで、自閉症スペクトラムに深く関わり、応用行動分析のプログラム開発や指導を行っています。著書に「自閉症スペクトラムへのABA入門 親と教師のためのガイド」(2015年)、「自閉症へのABA入門 親と教師のためのガイド」(2003年)があります。

応用行動分析の定義

応用行動分析とは、「行動改善を目的に、行動原理から導出された戦術を組織的に応用し、実験を通じ行動改善に影響した変数を同定する科学」と定義されています。

応用行動分析(ABA)自体は療育プログラムではありません。ABAの理論に基づいた療育方法は様々にあり、それらは、療育の目標となる行動として以下に4つ上げます。

1 日常生活ですぐに役立つもの
2 同年齢の集団に参加することを助けるもの
3 将来の自立に結びつくもの
4 指導者や保護者が実行可能なもの

課題の例

・簡単な指示理解
近寄る、椅子に座る、パズル、型はめ

・マッチングと模倣
3Dマッチング、2Dマッチング、分類マッチング、粗大運動、身振り、
微細動作、顔の動作

・コミュニケーション
音声模倣、名詞の理解、同市の理解、2語文、3語文

・生活スキル
スプーンで食べる、ズボンをはく、靴を履く、排泄、歯磨き

・社会行動スキル
あいさつ、買い物、移動、乗り物に乗る

・遊び
絵を描く、ごっこ遊び、ゲームをする、大縄跳び

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