発達障害と食5 発達障害とビタミン・ミネラル、糖質制限

発達障害とビタミン

ビタミンB₆が自閉症スペクトラム障害児の行動を改善する効果について調べた研究が、30年以上にわたり報告されています。しかし、研究数が少ないことやサンプル・サイズが小さいことなどからその効果をその使用を推奨することはできないとの研究結果もあります。しかしハタイクリニック西脇俊二院長によれば、「自閉症スペクトラム障害の子に不足しているとされるドーパミンやセロトニンの合成に必要なのがビタミンB₆です。まぐろやかつお、さば、牛レバー、鶏ささ身、ニンニクなどに多く含まれますので、意識して摂るとよいでしょう。ビタミンB₆の過剰摂取時の副作用を防ぐ意味でマグネシウムも必要です。」と言います。

ADHDの方のブログでも効果があったサプリメントとして取り上げており、イライラがなくなり、リラックスし、落ち込みにくくなって寝つきが良くなったそうです。

発達障害とミネラル

2011年11月3日に英国科学専門誌「Scientific Reports」で発表された論文「亜鉛欠乏と児童の自閉症スペクトラム障害と関連している可能性があると予備的研究で見つかった」という研究結果について、東京大学医学部付属病院精神神経科山末英典准教授の見解として、「本研究は、2000名近くの自閉症スペクトラム障害と診断された児童で、血液中よりも安定と考えられている毛髪中の亜鉛を測定し、自閉症スペクトラム障害児では亜鉛欠乏状態がより高頻度に認めれることを見出している。そして、欠乏している亜鉛を投与によって補うことにより、自閉症スペクトラム障害の治療的効果が期待される可能性を示唆している。これらの点から本報告は、大変興味深い点を含んでいる。」としています。

亜鉛は食材で摂るなら、牡蠣や牛肉、チーズがおすすめです。

発達障害と糖質制限

ハタイクリニック西脇院長は、糖質制限を勧めています。「糖質を多く摂取すると急激に血糖値が上昇し、交感神経が刺激されて自律神経のバランスを崩します。また、神経伝達物質の分泌にも異常をきたし、”やる気ホルモン”といわれるドーパミンの分泌量が減るため、うつにつながる恐れがあります。さらに糖質を摂るとβエンドルフィンという麻薬用物質の分泌が増加し、幻覚や妄想が出現する人もおり、それが統合失調症の症状となっていると考えています。健康な人に比べ、発達障害の人はそれが顕著に表れる傾向にあります。」といい、糖質の摂取を控えた結果、副交感神経が優位になり、リラックスした気分が保てて、落ち着いた生活を送れるようになったアスペルガー症候群の患者を多数見てきたそうです。

参考

AFP通信2012

SMC JAPAN 2011年

亜鉛不足の現状:早期発見・早期介入の必要性2016年

Cochrane

女性セブン2018年

発達障害ちゃんと赤ちゃん

簡単!栄養andカロリー計算

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